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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

社会情報大学院大学 高広ゼミ 2018後期課題図書

この春から社会人大学院の客員教授を勤めてます。 www.mediologic.com この社会情報大学院大学高広ゼミの後期では、ゼミ生の研究発表に時間を充てるとともに、「サービス・ドミナント・ロジック」や「サービス・イノベーション」の領域の購読とディスカッシ…

「定義」とは、今ある「定義」に従いつつ、変化する可能性もあるものだ。

Twitterで、とあるChief Branding Officerという肩書きの方とのやりとりで、「定義に従う必要はあるのか?」とかその定義は「変わらないのか?」という主旨の質問を頂きました。で、この「定義なんて従う必要ない」って意見、結構見かけるんですよね、とある…

マーケティングにおけるツール導入のことを、ゴルフにおけるクラブセッティングから、ふと考えてしまったという話。

※今回は、ゴルフやらない人には全くわからない話だと思うので、そういう人はぜひ積極的にスルーしてください。 久しぶりにゴルフを再びやり始めようと思って、クラブセッティングを考えだしたんだけど。 3番ウッドを抜いて、 Dr, 5w, 3UT, 4UT, 5i-9i, P, 48…

facebookでのやりとりからネット広告の現状について思うこと(長文

さて、つい数日前、facebookに以下のようなことを書いたところ、興味深いコメントがついたので、このブログにも記録として残しておきたい(※1:以下長いのでよっぽど時間があるときにしか読んではいけません/※2:限定公開ではなく公開設定のfacebook投稿での…

これから先、ROI よりももっと重要なことがあるかも〜ROI/ROMIからROC/ROAの時代へ

マーケティングや事業開発の話の中で「価値」の話になると、えてして「新しい価値をお客さんに提供したい」とかいう話になりますが、新しいかどうかはお客さんには関係ないということを理解するのも大事。 「新しさ」が価値だと思ってしまうのは、提供者側視…

「能力にも利子がつく」〜 一つ一つの仕事に全身全霊を毎回入れると疲れる。しかし100%ではなく101%のチカラで仕事をすると将来に差が出る、という話。

Google時代の同僚であり、最近ではブロックチェーンやデータ・ドリブン・マーケティング領域のthought leadershipを発揮している有園雄一氏が、次のような言葉をfacebookにあげていた。 仕事って、継続して安定したパフォーマンスを出すことが大事なんだよ。…

「2歳児に飴玉をあげるな!」とコミュニケーションプラニング

山口で二歳児が行方不明になり、警察や消防etcが捜索していたものの発見できなかったところ、大分から出てきた78歳のスーパーボランティアおじいちゃんがあっという間に救助したという出来事。 abematimes.com 発見→歓喜、というところから一巡して、このス…

7/9、朝日新聞社のイベントに登壇します→「朝日メディアフォーラム」〜コンテンツ&コミュニティ

最近イベント登壇はほとんどしてなかったのですが、7月入って2本ほど立て続けにありまして、そのうちの一本をご紹介させてください。 pot.asahi.com 上記、朝日新聞社様のイベントにて、「コミュニティ」をテーマにしたパネルディスカッションでモデレータを…

Googleが広告関係プラットフォームをリブランディング

GoogleのAdWords公式ブログによると、広告関係プラットフォームがリブランドされ、それぞれのネーミングが変更になるとのこと。 Inside AdWords: Introducing simpler brands and solutions for advertisers and publishers Google AdWords > Google Ads Dou…

「イチロー、未だに英語でしゃべらないじゃない?」というある女性の一言から学ぶこと

イチローがマリナーズに戻ってくるということが話題。 もちろんマリナーズの公式facebookページでもそのニュースが出て、それにファンたちがコメントを付けてる。 www.facebook.com 中には、「約8000万円+出来高の契約金はマリナーズにとっても無駄」という…

ソーシャルメディアが普及すると検索エンジンなんて死ぬ?っていう話あったよな

先日出たこの覆面の記事内容はすこぶる良くって、結構本質的なところを、インフルエンサーマーケティングとソーシャルメディアと検索について語ってるなと。 marketeer.jp このインタビューされてる当人は知人で、彼とやりとりしたときの僕らの共通見解は「…

この春より、社会情報大学院大学の客員教授に就任いたします。

この度ご縁が有りまして、2018年4月より事業構想大学院大学の姉妹機関、社会情報大学院大学の客員教授を拝命し就任させていただくことなりました(※2018/1/24現在・まだ教員ページには掲載されておりません) www.mics.ac.jp 社会情報大学院大学は広報と情報…

表現は時代によって枠組みが変わるものではないのかな〜年末のガキ使いにおけるエディ・マーフィのものまねの件に思うこと。

年末の浜ちゃんの『ガキ使』のエディ・マーフィのものまねの件、ソーシャルメディア上を含めたさまざまな議論には、相変わらず2つの見方のレイヤーの話が混ざって議論されてるなぁ、と思う。 1)あれはエディ・マーフィへのオマージュで、黒人をバカにして…

久しぶりの台湾で、後発組が先行組を追い抜くってこういうことだよなあ、と改めて思ったという話。

久しぶりに台湾に来ています。 台湾に来た主たる目的は台中の埔里という場所で開かれた「formosa trail」というトレイルランニングの大会に出るためだったのですが、諸々やっておきたいことがあり、台北に余分に一日滞在です。 大会後台北に戻って、まずはス…

「ニュースリリース」の「チラシ化」

なるほど、「ニュースリリース」をこういう使い方してきたか、という案件発見。 ちなみに「プレスリリース」とは主に媒体の記者etcに対して配信するもの。一方で「ニュースリリース」とは直接ステークホルダー(株主や買い手など)に届くものを想定したもの…

デジタルシフトするか、クビか。デジタル時代にレガシー人材のまま生きるか死ぬか。

この一年ぐらい、海外のメディア、特に放送局のエグゼクティブと話をする機会が度々あり、彼らのデジタル領域への本気度合いを教えられることが結構ある。 その中で最も課題となっているのが「人材」問題。 ほぼ全てのメディアを通じて耳にするのが、 「デジ…

「炎上」と「バズ」は何が違うのか?

企業がやってるキャンペーンで「炎上」してしまうと、 「炎上狙いでしょ、代理店が企画した」 「炎上商法上等!」 「炎上マーケティングで商品売ろうとしてるのかー」 といったコメントがソーシャルメディア界隈で見られるけれども、実際のところ「炎上」を…

7/18 アドテック関西(京都)に登壇。ネイティブ広告についてディスカッションします。

登壇の告知です。 来たる7/18から20にかけて京阪神で開かれる『アドテック関西』の京都会場にて「ネイティブ広告のビジネスとしての可能性」というテーマでパネルディスカッションを行います。 adtech-kansai.com このセッションは事務局側の方々がこちらの…

”パクリ”問題は「キュレーションメディア」だけの問題ではない。世界最大の動画共有サイトで起きてる問題。

昨年、CampaignAsiaにキュレーションメディア問題などについて寄稿をしましたが、実は”パクリ”問題がもっとも横行していると感じているプラットフォームがあります。そしてその現場のプラットフォーム提供者が対策を講じてないか、あるいは対策が遅れている…

LINEモバイルのCMが「タレントCM」の鏡で、そして動画広告の未来につながりそうだと思うわけ。

海外と比べて日本はタレントCMが多すぎるとはよく言われる話で、また海外ではそもそも有名な映画やドラマの俳優は、特定のブランドの色が付きすぎるとか商品を推奨することになるのでCMに出るのを嫌がると言われます。だから日本でのみCMに出てたりするんで…

アドフラウド問題に関するスキャンダラスな記事の書き方が気になる〜悪いのはアドテク業者や代理店”だけ”なのか?

読売新聞が2/18付けで以下のニュースを出して以来、「アドフラウド」という言葉が業界の、いや世の中の(一部の)中でようやく注目されている。 www.msn.com しかしながらこの問題を、アドテク事業者や代理店を悪と決めつけるような書き方になっている記事を…

マーケティングや広告業界で「新しい言葉」が出てきたときの「態度」

マーケティングや広告の業界は、毎年毎年新しいキーワードが出現していて、業界関係者を踊らせる。しかしこれらの「新しい言葉」について、どのように接するかというのはある種の「態度」として重要だと思う。 例えば、「バズマーケティング Buzz Marketing …

2017年のマーケティング・広告業界展望

2017年あけて5日目ですが、ビジネス面では本日で各社のスタートが出揃ったようですね。 さて、例年通りであれば、『2017年の10の予測!』とかどこかに書きたいところなのですが、昨年より京都大学経営管理大学院の博士課程でのマーケティングやイノベーショ…

他の企業は Amazon Dash Button の類似サービスを提供できない。

日本でも提供がはじまった Amazon Dash Button 。 www.amazon.co.jp 自分の周りでも、水や子供用のおむつなど用に登録し、手に入れてる人がちらほら出てきた。 面白そうなのは IoT 時代に向けた(?)、白ROM、白SIMならぬ、白Dash Buttonともいうべき、デベ…

DeNA他キュレーションメディアが起こした“事件”は、検索エンジンが資本主義に負けたということ。

資本力によるSEOハック、そしてその倫理なき悪用。それがキュレーションメディア問題の裏にある本質。

80年代の社会学の名著『Art Worlds』の日本語版が出ていた。そしてこれはマーケティング研究や経営戦略論の先端研究につながる本なのである。

長いタイトルになってしまった。しかしタイトルにあることがここで書いたことのまとめである。 正直、この本の日本語訳が出たことは驚きだ。 なぜなら最初の版が出たのが1984年、実に40年以上前だから。 Art Worlds 作者: Howard S. Becker 出版社/メーカー:…

AmazonのカスタマーQ&Aの機能の裏側は、色々な企業が今後参考にすべき内容だった。

Twitterを中心に、AmazonのカスタマーQ&Aが話題です。 話題の理由は、商品を買おうとしてレビュー欄そばにあるカスタマーQ&Aコーナーを見ると、「わかりません」だとか「意味不明」な回答が多い理由が判明したから。 togetter.com このカスタマーQ&A、誰が答…

コトラー大先生の新著『Marketing 4.0』を速攻読んでみた。

コトラー先生の新しい本、その名も『Marketing 4.0』が出た。 Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital 作者: Philip Kotler,Hermawan Kartajaya,Iwan Setiawan 出版社/メーカー: Wiley 発売日: 2016/11/17 メディア: Kindle版 この商品を含むブ…

ネット広告から「記事広告」を無くして、「スポンサードコンテンツ」にしたほうがいいと思う理由。

多少、誤解を恐れず過激とも思えるタイトル付けをしたので、「記事広告」を売られている媒体社の方々にお怒りを買うかもしれないけれども、そういう方々にも敢えて一度最後まで読んでいただきたいと思う。 昨日、谷口マサト、ヨッピーという広告絡みのバズる…

「インサイト」って何? それは「潜在的ニーズ」の話でもなく、単なる「消費者理解」の話だけでもなく。

Facebook上のとある壁で、「インサイトと潜在的ニーズって何が違うの?」という一言ではじまった議論が盛り上がっている。 そこでは色んな人が色んな私的定義を書いているが、それぞれに色んな意見があって面白いなと思う反面、なぜそのような事が起きている…