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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

LINEモバイルのCMが「タレントCM」の鏡で、そして動画広告の未来につながりそうだと思うわけ。

海外と比べて日本はタレントCMが多すぎるとはよく言われる話で、また海外ではそもそも有名な映画やドラマの俳優は、特定のブランドの色が付きすぎるとか商品を推奨することになるのでCMに出るのを嫌がると言われます。だから日本でのみCMに出てたりするんですよね。いわば「出稼ぎ」です。

ほんと「タレントCM」というのは難しいなあとテレビなどを見ていると思うわけですが、特に「それ言わされてるやろ!」とか「なんでアンタがその企業の人間のように”がんばります”みたいなこと言うてんの?」とか思わされることありませんか?

なので、「タレントCM」は視聴者から見るとよっぽどうまく使わないと白けてしまうわけです。そのタレントを使う文脈があるやなしや的なところは最も重要でしょう。例えば、LINEがベッキーの復帰になった広告やった時なんて、「なるほど」でしたよね。

タレントが「演じてる」というCMは、そのCMそのものが「ドラマのようなコンテンツ」になってると許されるような気がします。例えば今だとBOSSの一連のCMや、住友生命の「1UP」などはそうでしょうか。

さて、そんな日本のCMの状況の中で、「LINEモバイル」の”のん(a.k.a 能年玲奈)を使ったCMは「うまい!」と思い、感心せざるをえません。

 


【公式】LINEモバイル: TVCM 〜 愛と革新。(デビュー)篇 〜

 


【公式】LINEモバイル: TVCM 〜 愛と革新。(交差点)篇 〜

 

このCMは、”のん”に商品の善し悪しを無理やり語らせるようなことはしていません。でも、”のん”をうまくつかっています。”のん”に何かを演じさせてるのではなく、”のん”を”のん”として使っています。決して、LINEのいちユーザーを演じさせてるのでも、LINEの社員を演じさせてるのでもないわけです。

そして最後にLINEモバイルとしてのサービスのメッセージが出てくる、以上。

CMの役割としてブランド認知やサービス・商品理解が求められるのであるからといって、15秒や30秒の中でそれらいっぱいいっぱい使って無理やり説明しようとする必要があるのか? ということを考えさせられます。

そんな感じで、タレントの使い方、サービスのさくっとした”提示”から、このLINEモバイルのCMはうまさが際立っているような気がします。

そして、今後メインストリームに躍り出そうな「バンパーCM」のあり方はこのあたりから学べそうな気がするんですよね。だって5秒や6秒で、商品やサービスの説明のためだけにいっぱいいっぱい使うなんて、ちょっとイマイチな感じ、うまくブランドやマーケティング課題に応え無さそうな気がするでしょう?

 

 

※最近めっきりブログのほうは更新少なめになってますが、facebookグループを使った以下のサロンでは、マーケティングブランディング、メディアなどに関する情報とコメントを随時投稿しております。ご興味ある方はご覧ください。

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