企業がやってるキャンペーンで「炎上」してしまうと、
「炎上狙いでしょ、代理店が企画した」
「炎上商法上等!」
「炎上マーケティングで商品売ろうとしてるのかー」
といったコメントがソーシャルメディア界隈で見られるけれども、実際のところ「炎上」を狙って広告やマーケティングを企画することなんて、本当にありえない。
「炎上」することによって知名度があがることよりも、それによってブランドイメージや企業イメージと呼ばれるものが毀損されることのほうが企業は嫌がる。なのでまあまず「炎上狙い」なんてやらない。企業によるキャンペーンが「炎上」してしまう件は全て「意図せず」起こってしまったものなのだ。
で、一方で「意図して」行おうとするのが「バズ」である。もともとはネットに限った話の言葉ではない、”蜂がぶんぶん言う音”から転じた「話題になる」という言葉ではあるが、今はまあ「バズる(らせる)」という言葉の意味は「”ネットで”話題になる」ということどほぼ同意になってると思う。
さてじゃあ「バズ」と「炎上」というのは何が違うのかというと、「バズ」は意図して行い、企業(や商品・サービスなど)へのポジティブな関心を持ってもらうことにあり、「炎上」というのは意図せず起こり、結果として企業(や商品・サービスなど)へのネガティブな関心を形成してしまうことにある。
この2つの違いは発生するメカニズムは似たようなものであっても内実は違うのであり、後者を意図的に企業が行うことはやはりない。
前者の「バズ」を起こさせる仕組みというのは、単に面白コンテンツを作るというだけでなく、どのような導線でその情報が広がっていくかを設計しておくのも重要(書いて思ったけれども、だいたい「炎上」しているコンテンツって「面白さ」を狙って燃える気がする)。
もう古い本にはなってるけれども、『次世代コミュニケーションプラニング』の第四章 「クチコミ」を再考する の箇所に「バズ」などについて構造的かつ演習的に書いているので興味ある人はページを開いてみて欲しいと思う。特にコンテンツを作るだけではダメ、という部分。面白コンテンツでなくても広げることは可能、という部分について注目して読んで欲しい。