mediologic

メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

サイトを企画する時に考えたい、4つのポイント。

■サイトを企画する時に考えたい、まず4つのポイント。

Webサイト、特にブランディングサイト、スペシャルサイト、キャンペーンサイトというものを企画する時に気をつけたいこと。

Google勤務時代はさすがにそういう仕事はなかった訳ですが、博報堂、電通、そして今に至るまで、サイトの企画をする際に、気をつけてきたこと、一緒に仕事をするスタッフとシェアしてきたこと、そしてこれから一緒に仕事することがあるかもしれない人々にもシェアしたい、僕の考え方をまとめておきたいと思います。

1)そもそもWEBサイトに人は来ない

僕自身、多数のWEB企画に参加してきたけれども、常にまず第一に念頭におくのは、そもそもサイトに人は来てくれない、ということ。Google時代にその考えはますます強くなった。検索をしてサイトに飛びだつユーザーは、その目的のためにそれぞれを訪れる。SEO/SEM業界でいう[ランディングページ]という言葉はすなわち[デスティネーション(目的地)]なわけだ。ところがブランディングサイトやキャンペーンサイトと呼ばれるものの多くは、そこがブランドや商品との[出会い]の場であったり、[エントランス]でなければいけない一方、訪れる理由なんて、ユーザー側からするとほとんどなかったりする。なので、他の広告メディアはコンテンツとコンテンツの間に挟まっていたり、コンテンツの横にあったりするので、偶然広告と出会ってくれるかもしれないけれど、WEBサイトの場合はそうした“偶然の出会い”はないものとして、企画をスタートしなくちゃいけない。たまたま、はないということ。

2)WEBサイトはわざわざ来てくれるもの

さて、そんな訳で、WEBサイトというものは、よっぽどユーザーにとって合目的なサイトでない限り、“わざわざ”訪れてくれているものなのだ。この“わざわざ”に見合う価値がサイトにあるかどうか。一方でここで話しに出しているようなカテゴリーのサイトの場合、もちろん企業のマーケティング目的に合致していなければならないわけで、この両端をぐっと引っ張って間を結びつける“knot”を考えるのが実はWEBサイトの企画なんじゃないか、と。ワンウェイに企業側の言いたいことだけを表現しているサイトは、おそらくあっという間に開店休業になってしまう。わざわざ来てくれるユーザーになにを提供(それは情報でもエンターテイメントでもなんでもかまわない)し、そこに企業の情報を埋め込むのか。この順番で考えるのもアリだろ思う。

3)導線の設計計画

恒常的に設置されるようなサイトと違い、ブランディングサイト、キャンペーンサイトの多くは仮設型のイベントのようなものが多い。普通のイベントでも、“どこから来るか”というのは重要で、それによってイベント会場の入り口とか、時には演出まで影響する。 また、基本的にWebサイトは開設されただけだと、“建物は建てたけれども前まで道路がつながってない”という状況になってしまう。なので“サイトを作る”ということはすなわち“建築物とそこまでの道路も作る”ということでないと、大変寂しい結果になるので非常に気をつけたいポイント。 この導線の設計についてポイントとなるのは、なにもバナー広告やメルマガでどのように連れてくるか、ということを指していているだけでなく、“どこに人がいるのか?”を想定することにある。 例えば、『牛乳に相談だ。』のサイトの場合は小学生から大学生までが集まるコミュニティ casphy からのトラフィックをまず第一に設定(実はTVCMからのトラフィックを当初は目論んだものではなかった。TVCMにはそれ自体の役割があり、必ずしもWEBへのトラフィックを生み出すためのものではないわけだし)、『20XC』の場合はtwitter上のツイートからのトラフィックを目論んだ。このとき、単にそれぞれを“トラフィックジェネレータ(サイト誘因を目論む装置)”として考えるだけでなく、それ自体をサイトの一コンテンツとして利用することができれば、爆発的にトラフィックを生み出してくれる。 加えて、企画されたサイトそのものがトラフィックジェネレータとなることができれば、より効果を発揮する。つまり“サイト自体が人を呼ぶ”という構造を持っていれば、より拡散、誘因に貢献してくれるというわけだ。集客のための広告を打とうが打たまいが、サイト自体が人を連れて来る仕組みがあるかないかによって、広告を打ってるときだけ人が来る、ということを避けることができる。

4)滞在時間

これは映像を使ったサイトに限らず、あらゆるサイトに言えること。“一体どのぐらいサイトに滞在してもらうか(させるか)”は、コンテンツによってのみ左右されるわけでなく、どこからのトラフィックなのかも大きく影響する。経験的に言えば、一般的な広告から来た場合と比べ、ソーシャルメディア経由のほうが、サイトの滞在時間を長めに目論んでも見てもらえるようだ。だからといって長ければいいわけでなく、コンテンツ次第だということは言うまでもない。

もっと深く言えるだろうし、他にも色々あるように思うけれども、とりあえず第一弾として文字化はここまで。

 

関連書籍)

 

標準Webデザイン講座 基礎編 第2版
松原 慶太 高木 久之 立山 信一 高広 伯彦 大藤 幹 小村 まみ 森 一麿 翔泳社 売り上げランキング: 501,010