数ヶ月前にふとした仕事で、アカウントプラニングの仕事って広告業界にとって非常に重要だな、と思ったことがあった。でも、日本でも外資系の広告代理店の人のなかで「おおっ、これぞアカウントプランニング」と思わされた仕事を見たことがある一方、国内の広告代理店の「アカウントプランナー」と呼ばれる人の話・仕事でアカウントプラニング的だと思えたものは少ない。その多くの場合、data dump になっており、それらから読み取ることに比重を置きすぎ、直観力、つまり一消費者としての自分を信じ、その立場から「消費者の代弁者=アカウントプランナー」としてブリーフを作ることができていない。これは代理店の中でストラテジックプラニングやマーケティングと呼ばれる部署の中で、たとえ誰かがアカウントプラニング的にやろうと思っても、上司や営業から「なんかデータはないの?」とデータがあれば全ては解けるといったまちがったデータ信仰があるからではないか。まぁ僕もそういった場面に何度も出くわしましたが。
実際、「これはアカウントプラニングだ」ということを見せられた、いくつかの某外資系代理店のプラニングは一切データの出ないものもあったし、あったとしても1~3枚のチャートぐらい。それ以上に説得力のあるストーリーと、データがなくても誰もが「ああ、そうだよね」とうなずくものだった。これがアカウントプラニングと従来の国内広告業界におけるストプラとマーケの大きな違いだと思っている。
つまりは、「説得」なのか、「納得」なのか。
これは消費者にとっても同じで、従来のマス広告だけの時代ではそのメディアの特性からしても、多くのマス広告は「説得」の手法だった。もちろんその反省から消費者を「納得」させるための手法としてのアカウントプラニングが出てきたわけだが、この二つのスタンスの違いは、広告主へのプレゼンや、あるいは他のメディアを使ったプラニングにおいても如実に出てくる。
つまり、インタラクティブなメディアを使ったキャンペーンやクチコミを狙うようなキャンペーンにおいては、ユーザー/消費者がイニシアティブを握るがゆえに、彼ら自身が「納得」できるようなキャンペーン全体のプロセスを設計し、それにあわせたパーツ=コンテンツやインターフェースの構成をしていくことが大事なのだ。
と思ったことが何度もあったので、accont planning 関係の本を忘れないようにピックアップしておきます。
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