昨年(2009)から今年(2010)にかけて16回にわたり、放送批評懇談会『GALAC』で連載した文章を再構成してこちらに。
note 001: ネットはメディアなのか?~メディア集合環境としてのネット
実際、ネットを中ੱとしたメディア批評というのはశ常に難しい。どうし ても、「果たしてネットはメディアなのか?」という本質的課題に常にぶち あたるからだ。なので最初にこの点をちゃんと書いておきたい。 テレビだと、受信機としてのテレビセット、新聞でいえば毎届けられる 紙の情報パッケージが存在し、物理的にメディアが、「在る」。্、ネッ トの場合、৯の前のパソコンや携帯電話が「ネットというメディア」なの か、といえば相当違和感がある。確かにそれは「ネット」という世界へ誘っ てくれるモノではあるが、従来的なメディアがそうであるような、コンテン ツとデバイスが体化したようなものではない。 ؙい換えてみれば、これまでのメディア(とその産業)は、コンテンツと その流通が不可分なものとしてあったわけだが、ネットはそうではない。例 えばブログは確かにネット上に情報として存在する。それをৄるためにパソ コンや携帯電話を使うが、このつを体のものとして「メディア」とわ れることなど全くない。むしろ、「ブログというメディア」とってしまっ たほうがよほどしっくり来るのだ。 じゃあ、ネットにおいて「メディア」とは? 個য的には、ネットという のは、「メディア集合」みたいなものじゃないかと考えている。さながらカ ンブリア紀のように様々なメディアがそこに多数“ে息”しているのであっ て、ネットঽ体がメディアなのではない。つまりネットにおけるメディア批 評は、「ネットというメディア」をৄていく作業ではなく、「ネットにおけ るメディア」というのを対象にしていく作業になっていくのだ。 ネットという「環境」がいかに豊かな「メディア」たちをেみ出している のか。次回以降、紹介していく。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 002: 「ペイ・パー・ポスト」問題がもたらしたもの。 ブログユーザーに商品やサービスの紹介をブログ上に書かせ(投稿=ポス トさせ)、その対価としてস銭などを渡す「ペイ・パー・ポスト(PPP)」 の是శについて、ネット広告業界で議論が続いている。雑誌や新聞の世界で は「タイ・アップ」として、「広告」や「PR」といった葉がൺ隅にোった うえで、広告主の記事広告が書かれることが普通にビジネスとして存在す る。しかし「PPP」の場合は、ブログの書きুの多くが般যであることか ら、「クチコミの操作」や「ネット上で意図された情報が溢れる」とのこと で、マーケティング上の倫理観を問われる。 ことをややこしくしているのは、検索エンジンの検索結果上のランキン グ(順位)付けのつとして、ネット上に書かれた情報にどれだけ「リンク されるか(=被リンクという)」に重み付けがされていることによる。つま り、ブログにたくさん書かれれば書かれるほど、検索結果でのランキングが 上位にきやすい、という傾向があるのである。つまり、書かれている内容に おいても、検索ユーザーが৯にする検索結果においても、「সで買われた意 図的な内容」が溢れることに対する懸念があるのだ。 法やপ規模な設備投資というハードルによって参ো障壁ができているマス メディアの世界では本広告審査機構(JARO)のような存在があるので、 業界のプレイヤーの数も少ないので、ঽ主規制も可能。しかしネットの世界 では、誰もが広告の世界に参加できるので規制が難しく、虚をついたビジネ スがいくらでもでてくる。 それゆえ、ネットの進化によって、使いুである広告主、代理店のマーケ ティング倫理をৈめることが必要になってくるという側એもあるのである。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 003: 単位が変化するネットコンテンツ 黎明期以来、ネット上でのコンテンツの単位は「ホームページ」と呼ばれ る情報の集合だった。どのようなWEBサイトも、「ページ」という単位で構 成される情報の塊であり、これはこの10年間変わらなかった。そこに新たな 流れとして「ウィジェット」や「ガジェット」と呼ばれ、本では「ブログ パーツ」として知られているものが出現、普及しつつある。 これらはサイト上のコンテンツの部だけを抜き出して、他のサイト に“貼付ける”ことを可能にするツールであり、いわばサイトの「出店(でみ せ)」のように機能。本最প級のSNSである mixi にて始まる「mixi アプ リ」も、同サイトのユーザーが、他のサイトが提供するウィジェットを個য のページに取り込めるというものである。 さて、今までネットのビジネスをষうものにとって、どれだけঽ社のサイ トに来てくれて、どのぐらいリピートしてくれるか、というのが重要だった ので、「どうやってブックマークしてもらうか」というのは常に気になって きた。つまり、「ঽ社ページへ通じるোઠ」をユーザーのブラウザにキープ してもらうことに注ৡしていたが、ウィジェットが出てくると、今度は、 ユーザーの個যページに「取り込んでもらう」ことに気を揉むことになる。 企業が作るサイトは「ホームページ」という情報単位で作られているの で、৵さい「ウィジェット」にどうやって情報を提ંしていくのか、につい てはまだまだ模索の段階ではある。ただ、明らかにこの流れが来ているのは 間違いない。なのでネットの情報単位が৵さくなる、ということを前提にこ れからのネットのマーケティングを考えなければいけない時期に来ている。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 004: 検索連動型広告に見る「広告が効く」理由 Google AdWordsやYahoo! Search Marketing(Overture)に代表される 検索連動型広告。通常のWeb上に散らばる情報とともに検索結果のそばに ユーザーが検索しているキーワードに関連した広告を出す、というశ常にシ ンプルな仕組みである。しかしこれは広告業界において、コロンブスのたま ご的な発想に基づいている。 もともと広告の歴史において、「押し売りと広告屋はお断り」とわれて いた時代があったように、そもそも広告というのは嫌われる存在であった。 テレビを通じてお茶の間にଅଌでোり込んできて、勝ুに商品を売り込んで ষく、というその仕組みそのものが「プッシュ」として嫌われる要因。 ্、嫌われないために、広告のクリエイターたちは「ৄてもらえ」て「楽し んでもらえ」てそして商品のことを「好きになって」もらうよう夜あのু このুで斬新な広告表現を考える役৯を負っているのである。 さて、検索連動型広告はシステム的に「嫌われない」仕組みを産み出し た。ユーザーはঽ分が今調べたいとおもっている情報について、キーワード をোৡして調べているのであって、その情報の種類のつに「広告」がある のであれば、それは「広告=情報」になる、という発想。タイミングによっ ては、広告が”情報”として機能するわけだから、当然効果がৈくなる。い 換えれば、ユーザーが「広告を受けোれやすいタイミング」に表ંすること ができている、ということなのだ。 もちろん、あるキーワードを調べているযしかつかまえることができない わけだから、興味のないযを振り向かせる、というもっともએஜい広告の醍 醐味には弱い。ただ、広告はએஜいかどうかだけでなく「受けোれられるタ イミング」に届けられるかどうか、というのも広告が効く要素として考えて おかねばならないだろう。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 005: リアルタイム化するソーシャル・コミュニケーション ؙ৪国でfriendsterというソーシャルネットワーキングサービスが出現して 以降linked in、facebook、本では、mixiやGREEといった、仕事関係/友 達関係を繋ぐサイトが多数েまれてきた。また友য間で閲覧されることの多 い本のブログもソーシャルなメディアであるともえるが、ここしばらく はTwitterに代表される「マイクロブロッギング」と呼ばれるツールの普及 が৯覚ましい。“Tweet=৵೭のさえずり”から来ている Twitter はネット上 での「つぶやきツール」である。ঽ分ঽମの”つぶやきページ”みたいなのが あり、それに向かって、PCや携帯からメッセージを送ると、覧化される。 ブログよりもધ章量が少なく(100字程度の制限がある)、よりカジュアル で、いつでもどこでも思ったことを書けるという点でメッセージ量もঽ然と 増える。また、ঽ分ঽମの「つぶやき」をৄたいというযがいれば「フォロ ワー」として登録してもらえば、ঽ分が「つぶやいた」時に、ঽ動的に 「フォロワー」にも「つぶやき」が届くため、それをやり取りすればメール 的なコミュニケーションツールにもなるというリアルタイムなコミュニケー ションツールになる。ここが、友達のページに訪れる、という্法をとって いる既存のソーシャルネットワーキングサービスと違う点である。 最近では、৪国でも本でもこのTwitterに公式アカウントを設置した”企 業Twitter”が増えてきている。例えばDellやStarbucksといった企業は、 「フォロワー」をそのブランドのファンとৄয়て、公式アカウントを「フォ ロー」しているয々に対し、タイムセールや新製品情報を配信している。こ れまでは企業のWEBコミュニケーションとえば、ホームページやメールマ ガジンが主だったものだったが、そこには消費者と「つながる」というソー シャルな機能は無かった。また、わざわざページに来てもらわなくちゃいけ ないので、リアルタイム性も無かったわけだが、こうしたソーシャルなツー ルが出てくることによって、企業コミュニケーションもよりスピード感のあ るものに変化していくことだろう。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 006: 携帯でもなく、PCでもなく、新しいジャンルの誕生 「ネットブック」という、ૻ較的低スペックだがコンパクトで5万円を切 る値で販売されているPC端末がよく売れている。্、携帯電話は販売店へ の奨励স制度が無くなり、端末買い替え需要が伸び悩んでいる。そして今、 この2つの流れがクロスするかのような新しい端末カテゴリーが産まれよう としている。それが「MID(ミッド)」と呼ばれる領域である。「MID」は データ通信機能と通話機能を持ち、PC的なアプリケーションやウィジェット が使えるような、ুのひらサイズপの端末、というイメージ。例えば、 iPhoneや、先頃発売されたAndroid携帯などがMIDのプロトタイプとえる だろう。ؙؙ もともと本の携帯電話業界は、数年前まではその先進的な進化を視察し にくる海外からの訪問者が多かった。各キャリアの公式サイトや独ঽのアプ リધ化、おサイフケータイなど誇れるものも多かったのだが、্で「ガラ パゴス化」と語られるように、”独ঽ”かつ”国内only仕様”と化していた。 ্、海外の携帯は無でఠ声通話以外で使う気が起こらないシロモノだった が、ここにきて、この「MID」領域で新しい携帯の進化を起こそうとしてい る。 「MID」の特徴として、ブラウザでサイトにアクセスをするのではなく、 「アプリ」によってコンテンツが提供され、どんな「アプリ」をোれるかに よって、「ঽ分だけ」の携帯端末を作ることができることにある。しかもそ の「アプリ」の提供者は世界中の開発者であり、彼らがインターネットを通 じて配布しているので、これまでの本のクローズドな携帯電話業界にધ字 通り”௯า”を空けることになりそうなのだ。この「MID」はこの5年ぐらい で従来の携帯電話を駆逐するのではないか、と個য的には思う。今はとりあ えず葉だけを覚えておいていただきたい。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 007: ધ部科学省による教育サイトにみる「体験」装置としてのネット 部のネット利৷者の間で注৯されているサイトがある。運営しているの はધ部科学省。通称『ワンダー・シリーズ』と呼ばれるそれは、まるで博覧 会のパビリオンや博物館のシミュレーション施設をネットに展開したような ものだ。ધ部科学省はいち早くYouTubeに公式チャンネルを設置する他、 本がトップクラスをるテクノロジー分野や児童に役য়つ教育コンテンツを 本の有数なWEBクリエイターとともにেみ出している組織でもある。例え ば『深海ワンダー』というサイトは、本がほこる深海探索艇「しんかい 6500」をモチーフにした船体に乗り込み、深海ে物と出会い、知識を貯え ていくという作りになっており、া並みな葉ではあるがほんとうに「オト ナからコドモまで」楽しめるサイトとなっており、多くのブログで紹介さ れ、クチコミで今も拡がっている。 これらコンテンツの中でもয気のあるものは特に「体験」を重視したもの だ。マウスやキーボードといった複雑な「コントローラー」を৷い、しかも ディスプレイとの距離が近いという、そのメディア特性において、ネットと いうメディアは他のメディアと違い、lean forward (前のめり)なメディア 消費をষうようになっている。্でこの傾向は「テレビの番組にૻべて、 サイトはクリックしたり閉じられてしまったりしてすぐにৄられなくなる」 ということもেみ出す可能性はある。しかしながらそれはネットユーザーが 単なる「オーディエンス(=聴いているয)」ではなく、「ビジター(訪れ たয)」である、ということを表しているのであり、わざわざ訪れてくれた যなのであれば、何を提供するのか、について考えなければならない、とい うことなのである。その重点のひとつが「ビジター」৯線にたった「体験」 の構築であろう。博物館や博覧会では、オーディエンスという葉は使われ ず、ビジターと呼び、どういった「体験」をしてもらうかを企画する。同様 に、ネットというメディアにおいて「サイト」を博物館のような装置として とらえてみるのも視点としてもっておいたほうがよいのだ。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 008: ”誘うメディア”としてのデジタルサイネージ 2015年には1兆円市場になるとわれているデジタルサイネージ。デジ タルディスプレイに映像広告を映す“電看板”とえばそれだけ。しかし、 প型ディスプレイの需要が活性化、新たな映像コンテンツビジネスの産出な ど注৯要素も多い。 ্ؙ、デジタルサイネージはテレビや映画とૻ較して、画એにয々の視点 を集めるのがశ常に難しい。テレビ/映画はそこに映し出される映像にオー ディエンスの視点が集まることが約束されているが、そもそも”屋外看板”で あるデジタルサイネージに関しては、その前を素通りするযが多いため、他 映像メディアとૻべて相対的に注৯率が低いと考えられる。ただその設置場 所は、店頭やレジ前、通勤/通学の途中などの「ষ動導線」上にあることが 多いので、買い場/使い場に近いメディアとしての有効活৷をもっと考える べきなのではないかと思う。 そこでデジタルサイネージを”誘う(いざなう)メディア”として定義して みたい。つまり、「次のষ動を起こしやすい場所に設置されているのであれ ば、それを”誘う”役割こそこのメディアの特౦」ということである。例え ば、୫品売り場に近いところでは、直接的な商品広告よりも、料理の映像、 そしてそのレシピを提ંした中に該当商品の広告がোっている、など。「次 のষ動」を喚起させる映像と、その中に広告メッセージを組み合わせること にこのメディアの巧みな利৷法が眠っているのではないか。なのでそこに流 される映像も、その”場”における情報価値のৈいものでなければいけないだ ろう。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 009: ゲストとホストの転換の必要性~ソーシャルメディア ネットそのものがメディアなのではなく、ネット上でেまれ続ける様々な WEBサイトやサービスがメディアなのだ、まずイメージしやすいのは、 Yahoo!を代表とする「ポータルサイト」だろう。これらは従来型のマスメ ディアと同様に、そのメディア側に制作者ないしは編成者がいて、そのメ ディアにয々が集まってくる、というものだった。しかし「ソーシャル・メ ディア」というశ常にネットらしい新たなメディアは違う構造を持ってい る。 この“メディア”には、mixi、Facebook、YouTube、Twitterなどが代表的 なものとして挙げられる。共通するのは、ユーザーそのものがコンテンツ (記的なものやユーザー動画、あるいは個যのプロフィールなど)を提供 する「プラットフォーム」であるということ。そしてユーザー間が“繋が る”機能を持っていることが特徴であるということだ。従来型メディアのよ うに、メディア運営者=視聴者、のような関係ではなく、ユーザー間の繋が りによってこのメディアは成য়している。このメディア上で流通する情報も ユーザーがেみ出すコンテンツやコミュニティなため、そこにଅଌで広告が োってষくことも難しい。 それゆえ、このメディアにおいては、広告主はユーザーコミュニティに対 する「ゲスト」として振る舞う必要がある。これまでは広告やマスメディア はその配信元が「ホスト」だったわけだが、ソーシャルメディアにおいて は、ユーザーコミュニティにお邪魔するわけだから、য়場が逆転、と理解し ておく必要があるのだ。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 010: 中ੱのない情報流通網~Twitterの理解 これまでメディアと呼ばれるものはテレビであれ、新聞であれ、ネット上 のポータルサイトであれ、なんらかの形で情報が集約される「場」が存在し た。あるいはソーシャルネットワーキングサービスとよばれるmixiやGREE についても、ログインして、それらのサービスページにোっていくので、参 加する「場」がイメージできる。このような「場」が存在するメディア群に 対し、Twitterがశ常に理解しがたいツールである理由はなんだろうか。ؙؙ Twitterは“つぶやき”が、যとযに直接送り届けられる。“点”から“点”へఄ び交ってはষくが、それらを集約するような、ポータルサイトでイメージさ れるようなページが存在しない。従来のネットメディアは「ここにযが集ま るんだな」とイメージできる「場」が存在したからこそ、まだ理解しやす かった。しかしTwitterにはこの「場」がないために、これまでのメディア ビジネスになれた業界যたちには、「なんでこれがメディアなの?」と理解 不能状態に陥る。 従来のメディアはその「場」を中ੱに放射線状ないしはツリー状にオー ディエンス(ユーザー)と繋がっているイメージを持てる。しかしTwitter はযからযにつながりあっているネットワーク構造で構成されているので、 いわば網の৯上に広がっていくマイクロメディアネットワーク。理解するに は従来のメディアの形態、特に情報流通の側એがপきく違うということをま ず知らなければならない。中ੱ性のない情報流通ネットワーク・メディア、 それがTwitterなのである。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 011: 放送とオーディエンスをつなぐツール TBSのグループ会社、TBSディグネットが「TBSd」というツールをネッ ト上で配布しはじめた(http://www.tbsd.jp/)。パソコンのデスクトップ 上に置かれる「ウィジェット(ガジェット)」呼ばれるアプリケーションを 応৷したもので、各番組ごとに趣向を凝らした内容になっている。 テレビであれ、ラジオであれ、これまで放送局ないしは番組とオーディエ ンスとのつながりは、それぞれの受信機を通じてであった。もちろん番組ご とのホームページで情報を提供することはできたが、ブラウザを閉じられて しまうとそれまで、次にわざわざ訪れてくれるまで関係性は途切れてしま う。しかしこの「TBSd」に関してえば、パソコンに常駐し、ঽ動的に ネットから最新の情報を取得してきてくれて、「番宣ツール」として機能す る。 これまで、テレビやラジオの番組を知るキッカケになったのは新聞のラテ 欄だったが、メディア消費の変化によって、以前のように紙એに丸をつけ ることも無い。い換えれば、テレビやラジオの集客ツールの効ৡが無く なってきている可能性がৈいということでもあろう。となると「番組」はど うやってマーケティングしていけばいいのか。 そのつの答えは、オーディエンスとの継続的な接点を増やし続けること にあろう。「TBSd」のような試みは、番組のオーディエンスと、Twitter や次回番組予告など、コミュニケーションをとり、情報を伝えるツールとし て作られている。テレビ・ラジオの番組ঽମがパソコンの中にお邪魔して、 継続的なつながりを作ることに挑戦しているのである。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 012: スマートフォンがガラパゴス化した本の携帯事情を変える? アップル社のiPhoneが本で発売開始されたのは2008年夏。既存の携帯 電話とは線を画すそのデザインとユーザーの利便性に合わせて、ঽ由に ネットからোুできる「アプリ」によってこれまでの“携帯電話”体験を変え てしまった。そして昨年ようやく本でも発売が始まったGoogleのAndroid 携帯。これまでは台湾メーカーである、HTC社製のものしかなかったが今年 は本メーカーも開発・販売をスタートすると漏れ聞こえてきている。 さて、本の携帯市場は確かに諸外国にૻべて先進的な進化を早くとげ て、デジカメがついたり、ネットアクセスが容易になったりと、時は各国 のビジネスマンがその「成功」をケーススタディとして学ぶために本を訪 れていた。しかしその্本の携帯は本市場でしか使えない仕様のもの となり、いわゆる「ガラパゴス化」と呼ばれる、国際市場での孤য়化が進ん でしまった。実際、世界の携帯市場で強いのはたった3‐4社の海外メー カーであり、本の携帯メーカーは全然海外市場に୫い込めていないのであ る。 そこでAndroid。このOSで携帯を作れば基本的に本国内のみならず、海 外市場でも使える携帯電話を開発することができる。これまでは狭い本市 場向けしか開発できなかったメーカーが狙うマーケットサイズがপきく広が るのだ。 ؙৈ機能携帯=スマートフォンと呼ばれる市場は、海外の携帯向けOS・ソ フトウェアを利৷しつつ、本の携帯メーカーを再活性化できるのではない か、と期待をしている。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 013: iPadは”家庭内”ネット端末として普及する アップル社のスティーブ・ジョブズが、これまでにない新的なデバイス だとしてপ々的に紹介した「iPad」だが、市場での反応としては、サイズの পきな「iPhone」や「iPod touch」のイメージが強いようだ。しかし、 ジョブズがこの新しいデバイスを紹介したとき、彼はそれをスマートフォン だとしては紹介しなかった。 彼は発表会で、取り出したiPadをয়ったまま使うことをせず、傍らに準備 されたソファに使っていた。恐らくはこれこそがiPadの利৷シーンとして彼 がイメージしているものなのだろう。つまり、外に持ち出すことを主となる シーンとして想定しているのではなく、家庭内で使われるものなのだ、この デバイスは。 もちろんWiFi(無線LAN)とともに3G対応バージョンもあるので、屋外 での利৷も可能だ。しかしながらそれは、かつてコードレス電話を外に持ち 出せるようにしたのがPHSだったように、「屋外“でも”使える」という考え ্なのではないだろうか。 では、iPadがターゲットにしているのは誰なのか?きっと主な利৷者層は PCを苦ুとする、中ৈ齢者やどもたちなのではないかと思われる。 つまり、iPadはデジタルデバイドを解消する、誰でもネットに触れられる ようにする「家庭内」ネット端末なのだろう。それはAOLの創業者スティー ブ・ケースが、ঽ分のಟ親でもネットを使えるようにと、同社をয়ち上げた のと同様、ジョブズも多くのశネット利৷者にこのデバイスを提供したいに 違いない。だからこそ彼は「素晴らしいもの」と表現しながらiPadを紹介し たのだと思う。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 014: 経電版は成功するか? 3া23、本経済新聞が電版をスタートさせた。これまでにも iPhone向けに産経新聞が本紙を配信したり、形新聞が「お届け電版」と して先ষ的なサービスを提供していたが、いわゆる三প中央紙では初めての 試みであるとともに、“実験”ではなく、“事業”としてスタートしているの で、成否への注৯もৈい。 実際、ネットに慣れた層からは、電版単体での購読料4000円は、శ常 にৈいという声も多く、他のネット上の新聞で充分という意ৄも多くৄられ る。ネット上で売られるコンテンツとしては確かに相当ৈ価だ。しかし紙の 本紙を購読していれば、プラス1000円で利৷できる、ということもあり、 補完的な意味合いでは適価ともいえる。実際、経のような新聞の場合、出 張先でもわざわざ購োして読むこともあるようで、そういった読者への配慮 という側એもあるようだ。 この電版の場合単体のビジネスとしての成功の前に、新聞という「サー ビス」がやれていない“隙間”に注৯をする必要もあるようだ。実際、業界で はよく知られるように、経は東京とপ阪を中ੱとした都市部での部数は多 いが、地্での購読者数はさほどではない。もともと他紙との併読率がৈい のだが、地্紙 と経、という組み合わせでは、なかなか読まれていない。これには、販売 店=流通チャネルの充実が課題となるが、電版はそれを解決する。 ということからも、実は地্において電版の潜在マーケットが存在する のではないか、とৄている。成功の鍵は都市部で電版を「ৈい」といって るযではないのかもしれない。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 015: 変化するPR~ネット時代の企業情報潮流 「ネットPR」という葉がある。従来のマスメディアをターゲットとした PRとの違いは、"プレス"に向けた情報配信ではないこと。よくわれるよう にネットが普及した結果、企業とে活者が直接つながれるようになったわけ で、記者を間に介して企業情報を発信するのではなく、ダイレクトにステー クホルダーに情報を送り届ける、という試みが「ネットPR」ということなの である。 実際、いくらメディアで企業情報が紹介されようが、多くの既存メディア においてはフロー情報として流れてしまい、タイミングよくৄられないと効 果なし。্、ネットにおけるPRというのは、ストック型。検索結果にてリ リースが発ৄされる、ということもあるわけで、出したリリースの賞味期限 は相当শい。 News2uというネットPRに特化した企業の神原弥奈社শによると、従来 のPR活動は”プレス”向けの「プレスリリース」なので、メディア各社との関 係構築が重要だったが、ネットでのPRにおいては「ニュースリリース」とし て、ステークホルダー達への情報提供として実施されるという。つまり、メ ディアに取り上げられやすいように頭をひねるのがこれまでのPRだったのだ が、ステークホルダーに注৯される、読まれる、会話にされるために頭をひ ねるのが「ネットPR」なのだ。 これはඹ極ネット的な情報流通の試み。従来メディアの場合はその部数や サイズによって、フィットしない業種や情報もあるだろう。ところがネット の場合、業種や規模は関係ない。しかも情報を探している=潜在顧客に送り 届けられる、という特性を持っているのだから。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. note 016: ”オーディエンス”から”ユーザー”へ~GoogleTV ついにその姿を表した「Google TV」。TVという名前はついているが実 際にはAndroid OS を採৷したセットトップボックス(的)なもので、ディ スプレイそのものを指すわけでもなければ、放送の設備側を指すわけでもな い。しかしここに未来のテレビの姿がある。 もうすでにディスプレイは単なる「映像受像機」ではなく、HDDビデオ/ DVD/Blue-ray、ケーブル、光ファイバーなど、いろんなものとつながって いる。しかし多様なものとのコネクションを獲得していても、実際にはそれ は映像をৄるためのものにすぎず、lean back=後ろにもたれかかるよう な、オーディエンスの視聴態度がপきく変わることはなかった。今回の 「GoogleTV」はオーディエンスをより、lean forward =前のめり、にষ動 する「ユーザー」へと変化させる可能性を持っている。 注৯されているのは、Googleお得意の検索技術で、検索キーワードに関 連した番組や動画コンテンツ、WEBサイトを収集してきてくれて、それを ディスクプレイ上に表ંし、それらのコンテンツを利৷できる、というもの である。しかしもっと৯を向けたい機能が、Android向けに開発された各種 アプリケーションをGoogleTV上で利৷できる、という点である。 これが可能になれば、携帯端末とテレビとの連携もよりリッチなものとな るはずで、もうオーディエンスではなく、完全にユーザーとして変化する。 これまでのメディア消費ষ動は1デバイス=1メディアに対するものだった が、今後は複数デバイス=1メディア的な視点も必要になるかもしれない。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. All rights reserved. Ibd be happy if you tweet your comment on these notes with my account @mediologic このધ章を読まれた感想については、ぜひ twitter で。 ハッシュタグは #mediologic でお願いします。 Copyright 2010 Norihiko TAKAHIRO. 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