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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

IoT時代も控え、あらゆる”モノ”が”サービス化”する時代に対応するには、オンラインソフトウェア業界から学ぶべきだろう。

 Synapseのオンラインサロンに投稿したものから。

 

 オンラインサービスや、あるいは今後製造業も向かうべきサービスロジックやサービスドミナントロジック的視点においてもこの、先ごろSalesforceに買収されたDemandwareのCEOインタビューは重要な示唆がある。

 

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ソフトウェア企業は、パッケージソフトを販売して、最初に収入を得ます。お客さまが成長しようがしまいが、根本的には関係ありません。しかし、デマンドウェアは、eコマースの売上額から一定の割合を利用料としていただくクラウド型のサービスです。実際には、ちょっと試して、何ができるかもわからないうちに辞める、ということがないよう前払い金を頂きますが、前払い金は初期手数料ではなく、あくまで毎月お支払いいただく利用料の前払いで、初めはそこから取り崩していくことになります。お客さまが成功しなければデマンドウェアも成長できませんから、当然、お客さまが成功することに真剣になる。デマンドウェアとお客さまは、利害が一致しているのです。

 

 SaaSが、Software as a Service であり、かつ、リテンション(顧客維持)型マーケティングが重要なのはまさに上記したビジネスモデルそのものによるもの。クラウド時代のソフトウェアは「サービス財」なのである。

 それゆえに、パッケージソフトの時代のように「いかに次のアップデート、アップグレードを購入してもらうか」でもなく、「いかにパッケージを買ってもらって、一時期に大量の資金を集めるか」ではなく、常に顧客の解約率を抑え、キャッシュフロー型の財務にしていくのかがポイントになる。

 ただ、これは自転車操業にもなりがちで、かつ顧客が増え続けたとしてもサービス自体が安くなる傾向になり、ちょっとマーケティング予算などがかさむとファイナンスがガタガタになることもあると思う(Marketoが買収されるはめになったキッカケとその売り先か投資会社なのもそれが背景だろう)

 ソフトウェア企業を見るときも、単にそれらのツールがどうのこうのという視点だけでなく、企業レベルでウォッチすると学びが多くなりますよ。

 また、上記したようなビジネスモデルは、オンラインソフトウェアの世界だけでなく、それらの延長線上でも起きてます。例えばテスラ。

 

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 エントリーモデルを買ってもあとでソフトウェアをアップグレード/アップデートすることで、燃費を抑えられたりするという。オンラインショッピングのように「Add to Cart」して”モノ”を買う感覚と言うよりも、むしろAppStoreでアプリを買うような感覚に近いかも。

 いずれにせよ「あらゆるものが”サービス”化する社会」というのがこれからの大きな流れなのではないかと思う。

 

 

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