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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

広告見る?それともお金払う?〜ユーザーに選択肢を与える動画広告プラットフォーム

 

2006年に設立された動画広告プラットフォーム企業 SpotXchange。 同社が動画配信各社に動画広告配信プラットフォームを埋め込む一方で展開しているのが " SKIPIT "というサービスである。

■ SKIPIT

そもそもこのサービスを知ったのは昨年だったか一昨年だったかの ad:tech San Franciscoにて。

SKIPIT-BizCard1

SKIPIT-BizCard2

上の二枚の写真のように同社の社員が配っていた名刺から知った。

「え? 5 FREE SKIPS???

このサービスの面白いところは、動画を見ているユーザーに対して、

「このまま広告見る? それともスキップしたい?」

と聞いて、広告をスキップする場合にはお金払ってね、と、課金モデルになるところだ。

つまりユーザーに対して、

・無料になる=広告を見る ・広告をスキップする=お金を払う

という選択肢を与えている。

結局のところ、動画を配信する事業者にとってはレベニューが発生すればいいわけで、それが広告からであろうが、ユーザーからの課金であろうが関係ない。しかもユーザーにとっても「無理やる広告を見せらている」のではなく、”自分で選択した上で”広告を見ているということになり、その心理的なクッションは極めてうまく機能する気がする。

さて、いわゆる最近のアドテク業界は、ユーザー視点、媒体やプラットフォーム側の視点よりも、広告主の視点を優先させすぎる気がしている。リターゲティング広告あたりはその最たるものだろう。いやいやリターゲティング広告は効果があるんですよ、という人もいるけれども、その「効果」に現れた人以外は、みんなそのストーカーっぷりを嫌っているわけです。

こうした" SKIPIT "のようなサービスを見ると、ユーザー視点のサービス、媒体・プラットフォーム視点のサービス、広告主視点のサービス、といった、それぞれからのバランスをうまく取ることが非常に重要に思えてくる。

ぜひ、今の日本のアドテクプレイヤーの皆さんも、自分たちがもっているネットワークの上で何ができるか?を考えてみてはいかが?