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留学や海外生活なしに英語力を伸ばしたいという人へのアドバイス

 留学経験もなく、海外生活の経験もありませんが、さほど困ることなく英語の世界で仕事をしていたりして、それを知ってる周りの人から「どうやって英語を勉強すればいいんですか?」と聞かれることが結構あります。

 もちろん、留学・海外生活をしていた人々と比べれば話せませんし、自分では出来てるとはまだまだ全然思わないし、伝えたいことが伝えきれてなかったり、ないしはこっちが話をしている内容が相手によく伝わってないなぁと相手の表情から感じることも多々あります。しかしその一方で、「高広さん、どうやって英語の勉強したんですか?」と聞かれたり、海外のイングリッシュ・スピーカーの友人・知人からも「どこで英語勉強したの?留学してた?」とか言われたり、外資系ヘッドハンターからも「それだけできたら充分です」と言ってもらえるくらいには英語ができてます。

 そして不思議なことに、自分自身、「めちゃくちゃ英語漬けになって勉強した」ということもありません。英語の学校に行ったのは、大昔にベルリッツの5日間集中コースに参加したのと、UCLA extension center Tokyoというの新宿にあったころ(現在は東洋大学にて開講中)に週1で9ヶ月間ぐらい通ったこと、くらいです。なので明らかに、『ヒアリングマラソン』で1000時間も英語聞いてるような人からすると全くと言っていいほど英語のシャワーは浴びてません。

 ただ、「あれ?英語を学ぶことって今まで考えてきたようのものと違うのかな?」と思わされたいくつかのトリガーによって、英語学習や英語を話すことについての意識の持ち方の変化というか、英語というものについての考え方の変化というか、「気づき」があってから英語力がぐんと伸びた気がします。その「気づき」というのは、

 

  1. 全世界を見渡すと、英語を話す人のうち、ネイティブスピーカーの割合は非ネイティブスピーカーよりも圧倒的に少ない。
  2. 世界には「いろんな英語」があり、母国語の訛りがきつい英語、それぞれの地域でしか伝わらないような英語(=例・Singlish シンガポール英語)などがあり、「英語」は一つではない。
  3. 例えば、フランス訛りの英語、アイルランド訛りの英語、インド訛りの英語が飛び交っていてもそれぞれの間で会話が成立している。
  4. 海外のドキュメンタリーなどで登場する非ネイティブスピーカーの話す英語を聞くと、結構“ぐちゃぐちゃ”。でも充分通じてる。だれもそれを恥ずかしがっていない。それでOK。
  5. 日本の英語教育は「きれいな英語」を話すことにこだわり過ぎるのでは?(公教育・英会話学校含め)。
  6. 欲しい英語力は、起き得ないようなシチュエーションでの英語フレーズをひたすら覚えることではなく、どのような場面でも突破・対応できるような即興性の高い英語力。

などなど。

 

 これにくわえて、お世話になった英語の先生から聞いた英語教育の発展の話で、「なるほど。。。」という「気づき」がありました。その先生曰く英語教育にはいくつかの世代があるのだと。

 

第一世代:動物生理学的発想・条件反射・パブロフの犬

  • こういうときにはこのように言う
  • こういう質問にはこう返す

といったことを繰り返し練習し、反射的に英語が出てくるようにする。

⇢代表的な英語:は、Pinsler、スピードラーニング

 

第二世代:Situation-based 設定されたシチュエーションでのシミュレーション

  • 場面を設定し、その場面ではどのようなフレーズや言葉を使うかを学ぶ
  • 特定の場面において使えるフレーズをリピートさせ、記憶させる。

この方法を生み出したのがM.D.ベルリッツで「ベルリッツメソッド」。この方法が一番広がっていて、日本の現在の英語教育の教室のほとんどが採用している。

 

第三世代: Task-based 受講者に事前にタスクを与え、それに基づいたディスカッションなどを授業で行う。

  • 前2つと違い、授業中に「このときはこういう風に話す」という説明は少ない。
  • 一方、「翌週はこのテーマで」というように事前に課題が提示され、受講者には予習が求められる。
  • 授業では受講生同士のグループごとのディスカッションなどが重視される。
  • 各受講生は、自分が予習してきた内容で授業に望むので、その時点における語彙や英語力でディスカッションなどに参加することが求められる。このことが、受講生のその時に英語力に基づいて会話する訓練になる一方で、毎回の予習で自分にあわせた新たな英語を学ぶことになる。

 実世界では特定のシチュエーションで決まりきった表現を使うよりも、より即興的な英語が求められる。そのとき自分が知っている以上の英語は当然使えない。その時自分が持ってる英語力の範囲で最善の英語が話せるようになるメソッド。

 海外の大学のEnglish as Second Languageのコースなどで採用されていて、日本だと、東洋大学で行われている UCLA BEC品川のNYU SPS麻布のTemple Univ.の一部コース

 

www.sps.nyu.alitokyo.jp

www.tuj.ac.jp

 

 この第三世代の task-based 以外はすべて「記憶」型の英語教育なんですよね。なので即興的にはなかなか使いにくい。もちろんあってもいいんですけれども、「それぞれのシチュエーションを学んでからしか使えない英語」ではなく、「どのようなシチュエーションでもなんとなく話せる英語」のほうが現実世界では必要だと思います。なので、使える英語力を獲得したいのであればこのtask-basedな英会話学校を探すべきでしょう。えてしてそういうタイプの英会話学校は、「どれだけ話せるか?」ではなく、「それぞれのトピックについて(表現の差はあれ)自分の言いたいことが伝えられているか?」に重きが置かれています。そのため、最初は自分が興味を持てるテーマが設定されるような授業がいいかもしれません。例えば Temple Univ.だとワインに関しての授業があったり、NYU SPSだとマーケティングに特価したコースも開催されてます。UCLA BECだと、Pre MBA的なテーマで学べます。

 上記三校はインタラクティブに英語を利用する機会を得ることができます。しかし、もしもっと自分の興味のあるテーマについて英語で学びたいということであれば、海外の大学はオンラインで学べるコースも増えてますし、その中で課題提出を繰り返せば英語の力は身についてきます。ものによっては無料で学べるもの多数ありますので、"MOOCs"というキーワードで検索すれば色々出てきますので調べるといいでしょう。またもっと仕事寄りで、英語を聞くだけでいいということであれば、例えば linkedin learningもあります。

www.linkedin.com

 

 上記によって、「即興性ある英語力」と「仕事や興味に合わせた英語力」が身につきやすくなるでしょう。もちろん、ネットで業界メディア(広告・マーケティングなら、AdAgeやCampaignAsiaやDIGIGAYやBusiness Insiderなど)を読むことも効果あります。これは日課にすることがおすすめ。

 一方で時事的な英語と日常的な会話力についてなんですが、時事的な英語については、オンラインかないしはCATVなどでCNNとBBCを交互に見ることをオススメします。米語と英語の両方(BBCに関しては時にはインド訛り・南アフリカ訛りの英語が聞ける)が聞けますし、両局とも世界中のあらゆるニュースを複数の番組で流しているので、興味が出てくるテーマが流れていることもあるので。この「興味が出てくるテーマ」があるというのは結構大事で、興味のある内容かどうかで英語が聞こえるかどうかが違うんですよね。

 そして日常的な会話力、、、なんですが、これは二段階あると思ってまして、第一段階は基本的なフレーズを覚える、ということ。これは日本の多くの英会話学校では40数回ぐらいのコマでやってるテーマなんですけど、正直これは自習の範囲だと思います。むしろこのレベルの英語で英会話学校に何時間も行っちゃ勿体無いと思います。じゃあどうするか? これは、「英語圏の人たち向けに書かれた日本語学習の本」か、「Living English」か「English As Second Language 」と書かれた、「英語で日本語学ぶ本」か「英語で英会話を学ぶ本」をAmazonで探して学ぶこと、をオススメします。そしてそれらで学んだことを、オンライン英会話でもどこでもいいから使う機会を作るということをすればいいと思います。

 

 あ、そうだ。色々書きましたが、本当に大事なのは、↑の気づきのところに書いた、

  1. 全世界を見渡すと英語話す人のうち、ネイティブスピーカーは非ネイティブスピーカーよりも圧倒的に少ない。

を理解することなんですよ。世界で話されてる英語の大多数は「globish」と呼ばれているものなので、とりあえずサバイブできる(生き残る)ための英語力には、相当の語彙力も文法的な正確性も厳格に必要とされるわけではありません。非ネイティブスピーカーのすべてがネイティブスピーカーのような英語が話せるわけではないのは、実際の英語の飛び交う現場に行けばよくわかります。例えば、日本人が「聞き取りにくい英語だなあ。。。」と思う英語があったとします。それはインド英語かもしれませんし、オランダ訛りの英語かもしれない。でもそれは、日本人が「きれいな英語」信仰に毒されてるからだと思うんですよね。なので、自分たちも「きれいな英語」を話す必要は(とりあえずは)ないんですよ(*1)。まず、この勘違いから意識を変えるとほんと英語力変わりますよ。

 

 というわけで、英会話の勉強をする前にこの本を読むことをほんとオススメします。

 

世界のグロービッシュ ─1500語で通じる驚異の英語術

世界のグロービッシュ ─1500語で通じる驚異の英語術

 

 

 

(*1) ただしある一定以上レベルの役職につくことを目指したり、言語的な正確性が求められるような仕事をする際には表現・語彙・文法の正確性は必要になります。