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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

海外に出て活躍することが、本当に日本人がグローバルに活躍するということなのだろうか?

グローバルで活躍する日本人マーケターを育成しよう!というスローガンほど、ガラパゴスなものはない。そう2−3年前から思い始めていた。

すでに日本は世界と接続しているし、見えてないだけかもしれないが、すでに活躍している日本人は多くいる。

上記のようなスローガンの裏には、そうした「海外で活躍している日本人」のイメージがあり、それこそが「グローバルで活躍する日本人」だとする思考があるように思う。

だが、広告・マーケティング業界に関して言えば、長きに渡って、世界2位・3位のサイズの市場だということは世界的に知られているのであり、かつ、一方で世界的に見てもエントリーが難しい市場だということも知られている。

それゆえに世界と接続したビジネスを日本で成功させると、それを世界はリスペクトしてくる。

つまり、海外に出て行くことだけが「日本人が世界で活躍すること」なのではない。 日本市場の難しさゆえに、海外生まれのビジネスの日本市場での成功をもたらすと、それが「世界的に見ても活躍している日本人」を生み出すことになる。

日本人がグローバル人材として活躍するには、

1)海外に”出て行って”活躍する 2)日本国内で海外のビジネスについて活躍する

の二つの方法がある。

そして、自分たち自身のマーケットがわかっている2)のほうが、実はグローバルに活躍する近道なのである。

ただ、残念ながら、多くの人の意識は1)にあるのであり、しかもその1)の手前で止まり、カンファレンス参加のみで長きにわたって”お勉強”モードから乗り越えることができていない。なぜなら1)はハードルが高く、それを乗り越えてまで外にでるのはリスクが大きいからだ。

なのでグローバルで活躍したいなら、もっと日本のマーケットを見ろ、と僕は言いたい。

こんなに世界的に見ても稀有でかつ大きなマーケットを狙えるのであり、そこでの成功は海外から見たらリスペクト対象なのだよ。

なので、海外カンファレンスや海外の報告会などに参加して、外の国に目を向けるばかりでなく、もっと国内に目を向けよう。そして、その国内と海外をつなぐことををしよう。

それこそが、日本人がグローバル人材になるための近道なのだから。

2014/01/24 @ Paris