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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

営業も100案よろしく

さて、今回は、自分が営業系と企画系とやってきた経緯から、ツッコミいれてしまいます。多分、営業経験者は共感し、制作会社の人々も共感し、しかし、広告会社の制作の人の中には憤慨する人がいるんじゃないでしょうか。

>あ、営業も火曜日3時まで1人100案ね。広げて、広げて。(広告深夜族より)

制作の人で、↑のようなこと言う人よくいますが、営業には営業の仕事があるわけでそれだけで相当忙しいにも関わらず、会議のときに「営業からの案はないの?」っていうデリカシーのないCD(クリエイティブディレクター)なんかがいて、「ほっといてくれ、お前らでちゃんと考えろよ」、って思われてることに気がつかないのはなぜなんでしょう。これって、制作が「営業の人間も、制作の仕事に憧れてるんだろう?」的見下しをどっかで持っているからかなぁ。で、営業が案を考えてきてもしその案が通ったら、その分その企画会議の制作スタッフの給料、無し、とかならアリだとは思うんだけど。あと、企画は誰でも参加できる、とか、体のいいこと言うCDとかはたくさん見てきたが、そうとう営業の出した案のほうがイイじゃんと思っても、ボツにして、結局ダメ案で推し進める人なんていたぞ、結構。

むしろ、「企画は俺たちがしっかり考えるから、安心しろ」っていってくれるCDがほっとんどいないのはどうなんでしょう。。。(あと、営業も制作に対してへえこらしすぎのときも確かにあるよね...、大事にしすぎっていうか、桃並に傷つけないような対応するもんだから、それが助長してるともいえなくもないか)

そもそも、100案だろうが、1000案だろうが、10案だろうが、1案だろうが、ちゃんと順序良く企画会議をしていけば妙案なんて出てくるもんじゃないでしょうか(ちなみに僕の場合は最初から焦点しぼった数案を深めていくというやり方を取っていました。僕がイニシアティブとってやった企画について費やす時間は、課題発見80:企画20 ぐらいの割合です。このほうが非常に効率がよく、しかも課題に答えられるシャープなアイデアが出てくる)

企画は出せばだすほどいいかというと、全然そういうことはなくって、散らかすだけ散らかして、捨て案をめちゃくちゃ増やすだけのCDなんてめちゃくちゃみてきたし、それについて疲弊する現場のスタッフの健康状態の悪いこと...。

はっきしいって、「営業も100案よろしく」っていう前に、企画会議の進め方をちゃんと考えろ、って思うこともよくありましたね。

しかも企画会議よりも実際は、その結果のアウトプットの時間はもっと手間と時間がかかることもしばしば、なので、さっさと企画固めて外部の制作会社に渡さないといけないのに、なかなか詰まらない、とか。つまり、広告制作会社の労働条件が過酷なのは、広告会社が深夜まで仕事をしているせいで、その仕事が深夜に送られてきて「朝まで」なんてのがあるせいなのは、間違いないし。

などなど、制作の現場がもっと効率よくアイデアだしをして、仕事するようになれば、きっと広告業界はみんなハッピーになるんだけどなあー。

ちなみに、僕の周りで優秀だなあ、と思わされたCDやクリエイティブの人々は広告会社にいる人、いない人に関わらず、企画の時間・仕事の時間は、すごく早いです。できない人ほど、時間かかる&企画案を増やす傾向アリ(=つまり決断力と課題発見能力とソリューション力にかけるので、企画できないつーことなんですけどね)。

「制作」=偉い人たち、な風潮が昔から広告業界にはあるけれども、それぞれの職務をリスペクトしあって、それぞれの職務を全うする。で、できるだけ互いに効率化を図る。今の広告業界を見てると、こうした意識面での改革が必要なんじゃないかなあ、と、制作仕事を離れて一年たって、思うのでした。

あ、あと、広告会社に勤務する人は、外のスタッフからどういう風に見られているのか自覚すること大事ね。これ、気づくだけで相当仕事が円滑に働きます。