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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

ソーシャルメディアが普及すると検索エンジンなんて死ぬ?っていう話あったよな

先日出たこの覆面の記事内容はすこぶる良くって、結構本質的なところを、インフルエンサーマーケティングソーシャルメディアと検索について語ってるなと。

 

marketeer.jp

 

このインタビューされてる当人は知人で、彼とやりとりしたときの僕らの共通見解は「ソーシャルメディアが普及すると検索行動も増える」というもの。

この考え方について整理をすると、

がまずある。これ自身が「えー、そうなのかな?」と思う言説ではあるんだが、その前に「検索する」という行動について考えてみる。

jp.techcrunch.com

二年前に上のような記事が出て、「Google検索って減る」ってまことしやかに言われていたものの、GENKING氏自体もinstgramで「検索する」という行為はしていたわけで。

 

つまり、「Googleで検索するという行為が減る」という話と、「(ツールがなんであれ)検索するという行為が減る」という話、この2つが混在して語られるのが、「ソーシャルメディアで検索死ぬ」という話題のように思える。

「(ツールがなんであれ)検索するという行為が減る」という話については、「ソーシャルメディアで情報が入ってくるから、そもそも検索をするという行為はなくなるんじゃないの?」というものであって、ユーザー自身が「自分で調べる」という行為をしなくなる、ということ。いや、それはないね。

で、次のような記事が出た。

www.businessinsider.jp

この記事そのものは、媒体サイトへのトラフィックfacebook経由とGoogle経由、どちらが多いかというものなので、一概には↑の話を一緒とはいえない。しかしながら、facebookと違い、Googleというのはユーザーが自ら情報探索行動を起こさないとトラフィックが起きないわけなので、ここで現れてる数字というのは「検索行動をしている人はまだまだいて、その回数は増えている」という可能性を示唆するものであるとは思う(※トラフィック増の原因は検索しても検索結果に出てこなったというのが実際の大きな要因だと思うけれども)。

さて、上にも書いた「ユーザーが自ら情報探索行動を起こす」というのは、なんらかのトリガーが無ければ起きない。例えば、体調不良のときにその対処法を探す、シャツのたたみ方を探す、などの生活におけるイシュー発生がトリガーになって起きる情報探索行動もあれば、仕事上・研究上で調べ物が出てきて起きる情報探索行動もある。これらに加えて、広告によるものや、ソーシャルメディアで友人がシェアしていた情報を更に調べるなど、アテンションがあってその先の情報として調べる行動もある。と、考えると、ソーシャルメディアの利用が増えることによって、情報がシェアされてアテンションが増えると、それは検索の機会がより増えるってことなんじゃないかな、と。

つまりは、ソーシャルメディアが普及すると検索という行為がなくなるということはなく、そして検索エンジン(や各プラットフォームにおける検索機能)の利用は増える、ということだと思いますけどね。

もちろん、一生活人として、情報量が増えまくって、気になることが増えるというのはある種の情報不安症に陥るということなので、あまりいいことではない気もしてますが。

 

情報選択の時代

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