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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

"intender" を増やすこと。

ふとひらめいたこと。

searchの世界の仕事をしていると、search engine marketing にどっぷりハマッている人にとっては、search というのは(それが単体で)ホントにすごいツールだと思われてるんだなあ、と感じることがある。僕にとってはそれがすごい違和感であり、そういう人はマーケティングの下部構造の部分、つまり購買行動プロセスでいうと、購買直前に近いところしか見てないんだろうな、と思う。だって大概、こういう人たちは、ブランディングには否定的で、しかも長期・中期のマーケティング・コミュニケーション活動に興味を示さず、時には「マス広告って効果ないですよね」とか「テレビCMから予算をとってきましょう」とか言っちゃうもんだから、正直、めちゃくちゃ部分しか見てへんやんけ、こいつら!と思って、しかも視野の狭い人間は、広い視野の存在を認めたがらないもんだから、話がかみ合わなくってますますややこしかったりする。

と言っててもしょうがないなあ、とここしばらく思っていたのだが、そこでふとこうした、search marketing centric だったりする人たちとも共有できるキーワードを思いついたので、これが "search" とディスプレイ広告・動画広告やbranding(あるいは、「ネット」と「マス」)とかいう世界を結びつければいいな、と思う。

それが、"intender"という言葉。

search という行為は、すでにintentionのハッキリした人をつかまえることに、非常に効果を発揮する。

それもそのはず、searchする人はすでに入力すべきキーワードを持っている人であって、言い換えれば、searchをする人は、すでに何かの意図をもっている人(=intender)だから。

では、その intender をどうやって増やすのか? 例えば、そこにディスプレイ広告(バナー広告)の復権があるんじゃないかな、と。

これまでにもディスプレイ広告(バナー広告)の効果について view through 効果
(日本では"ポストインプレッション効果"と呼ばれる)があるのではないか、といわれてきた(特にDACはこの調査を積極的に行っていたが、なかなか「だからなんなの?」という目で見られることが多かったけど、可愛そうに...)。しかしながら、search との併用・連動によって、ディスプレイ広告の効果を計りやすくなってきたのである。

また、オンラインのディスプレイ広告に関して言えば、同じネットの世界なので、search という行為に結びつきやすい、親和性が高いとも考えられる。

search については、検索連動型広告とorganic search、双方からサイトへの流入を見なければ、ディスプレイ広告と search の連動した効果を計ることはできないので、Google Analytics に代表されるような検索連動型広告と通常の検索結果(organic search)の両方を検証しやすいアクセス解析ツールの利用はこれからのオンラインを中心とした広告のキャンペーンにおいては必須となるはず(ただ単にサイト内の導線分析をするだけでなくてね。むしろ流入分析ツールとして広告マンはアクセス解析ツールを使いこなすべき(ってこの手の話を”69の日”でやったな(笑)すでに大昔な感じが))。

このサイトへのトラフィックの分析(流入の分析)まで視点を持つことで、intender を増やす、というブランディング(ここでは狭義に"商品知名・認知・理解・購入意向から購買行動の直前"までの消費者行動を促進する行為とする)
までが見えやすくなるので、効果的な広告キャンペーン・プラニングと効果測定がしやすくなるだろう。

最近、僕は仕事の場で "beyond search" というコトバを使うことが多いのだが、人によっては search を捨てるとか言う意味に取ってる人もいるかもしれない。しかし本意は、 search を捨てることではなく、searchよりも上の funnel (購買行動の上部部分)にも注目すべきだということであり、
つまりそれは、「これからは "intender" を増やす、という視点を持つべきだ」、という提案でもある。"

なので、検索サイトに集まる人を、=検索する人、と解釈するのではなく、=intender (なんらかの意図を持って集まる人)と解釈し、それをいかにして増やすのか?を、特に広告人やマーケッターはプランニングしていかなければならない。

※と、考えると、Googleのサイトターゲティングやコンテンツターゲティングを使ったディスプレイ広告や動画広告の使い道、や Google Analytics をなぜつかうべきなのかが、なんとなくわかってきたりする。え?しませんか?(笑