読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

mediologic

メディアと広告とマーケティングと。

マイクロソフトはマーケティング部門の200人をレイオフ。その背景。

マーケティング研究 業界研究・業界ニュース 超まじめ

昨日のP&Gの人員削減の記事に続き。

Microsoft Lays Off 200 in Marketing | Digital - Advertising Age.

今回のマイクロソフトのニュースは、「マーケティング部門そのものを解体する」に匹敵する話。

社内にいたCCO: Chief Creative Officer である Gayle Troberman までクビに。

彼女の作ったキャンペーンで有名なのは"I'm a PC"、

Appleが"Mac vs. PC"というキャンペーンを張ったときにそのカウンターして出してきたCMです。

日本では、ラーメンズがやってましたね。

このAppleのCMに対して「そうだよ、僕(私)はPCだよ。でもさステレオタイプに仕事用って言われるのは違うんだよね。結構いろいろできるんだよ、人々のライフスタイルの中で」と打ってきたのが"I'm a PC"です。

あと、Bingのキャンペーン、"Bing and Decide"なども。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、Googleなどの検索エンジンが「情報の提供」しかしてくれないの対し、Bing は"Decision Engine"として使えますよ、ということを表したCMです。Information overloadしてませんか?という

さて、この Gayle Troberman までレイオフになる理由には、以下のような理由があるとのこと。

In the face of sagging revenue growth and profit, Microsoft is looking to put more creative and advertising control in the hands of product teams for Bing, Xbox and Windows to bolster sales in those divisions. This will shift creative power from Microsoft's central marketing group to those closer to the product.
The marketing reorganization comes from Microsoft's newly installed chief marketer Chris Caposella, who led marketing for product group Office before taking on the larger role just months ago.The layoffs will include members of Microsoft's consumer-marketing group, the umbrella unit that has traditionally overseen creative alongside the business groups. Mr. Caposella has also issued a "guiding principles" document to lay out his vision for a more-streamlined marketing practice.

収益性との兼ね合い、というのは昨日のP&Gのニュースでも同様ですが、注目すべきは "central marketing group"、つまりプロダクト部門とは独立したマーケティング部門から creative power をよりプロダクトマーケティングに移動させよう、という目論見でもあるということです。

また、今回のは主に「クリエイティブチームのレイオフ」であることが以下の記事からもわかります。

The layoffs also include some from business groups and do not obliterate the consumer-marketing group entirely. The umbrella group will continue to handle functions best handled at scale, such as media buying and planning, market research and corporate communications. This group will also continue to steer Microsoft branding.

プロダクト側に「プロダクトマーケティング」担当者を導入するのはいい流れだと思うんですよね。 実際、僕が在籍したGoogleもまったく(いわゆる枠をバイイングするような)広告を使わずに普及させることができたわけですが、その背景には「プロダクトマネージャー(PM)」と「プロダクトマーケティングマネージャ(PMM)」のタッグ体制があったことが大きいと思っています。たとえはGoogle Earthが出てきたときに、映画『ダ・ヴィンチ・コード』とのタイアップをやっていたりしましたが、ああいうのも独立したマーケティングチームと言うよりも”プロダクト側の”マーケティング担当者が行ったものです。

一見、マーケティング(体制)の集中化をすると確かに効率的に思えるかもしれませんが、それはあくまでも媒体購入などバルクバイイングの理屈が効く世界の話であって、プランをする人間はプロダクト側にたった方がいい。そのほうが product as marketing 、プロダクトそのものがマーケティングとして機能する施策が打てるようになります。

AdAgeの記事の結びの中にも言葉は出てきますが、

The move to decentralize marketing comes at a juncture where consumer tech is trending toward products that work in concert within consumers' homes.

decentralization の流れは検討されるべきで、今も日本でよく言われるようなマーケティングチームの一元集中化は、概して媒体をベースにしたキャンペーンになりがちでニュートラルな思考からのキャンペーン、マーケティングコミュニケーションを生み出すことはやりにくい、ということ僕は経験上感じています。

媒体などの購入部門に関しては集中化、マーケティングコミュニケーション担当は分散化。

この流れがきっとこれから来ますよ。