なぜか日本では「カンヌ、カンヌ」とばかり言われてて、あまり知られていないグローバルな広告業界のアワードはたくさんある。USのIABが始めた試行錯誤中のMIXXやらなんやら。
その中でも特に僕が注目しているのが、元々USマーケットだけを対象にしていた Effie が 2003年から始めていてる Effie Awards Global Competition だ。
Effieのサイトの中に書かれている、
Effie awards Ideas that Work – the great ideas that achieve real results and the strategy that goes into creating them.
Effie winners represent client and agency teams who tackled a marketplace challenge with a big idea and knew exactly how to communicate their message to their customer.
を象徴するように、単に広告代理店のクリエイターたちを中心にしたジャッジのコミッティーを組んでいないところが、Effie awards の特徴。
judging by select panels of senior advertising and marketing executives with global branding experience.
たとえば、2007年のジャッジは、
Steve Nesle, Tribal DDB
Kimberly Kadlec, Johnson & Johnson
Lynne Boles, Procter & Gamble
Alina Kessel, Grey Worldwide Germany
Tania Collingwood, Citigroup
John Brodeur, Brodeur/Pleon Worldwide
となっており、単なる「作品」として広告を見るのではなく、クリエイティブがどのようにマーケティングやブランディングに貢献しているのかを見ている。
Judges are asked to evaluate a campaign’s effectiveness using the following scoring system:
70% of an entrant’s campaign, equally weighted
* Strategic Challenge
* Idea
* Bringing the Idea to Life
30% of an entrant’s campaign
* Results
また、Effie で表彰される対象は「個人」や単体の「広告代理店」よりも、その「キャンペーン」に携わった「チーム」。
たとえば、2007年のAward winnersから PET CARE のカテゴリーを見ると、
Pedigree Adoption Drive →キャンペーン名
Pedigree | Mars Pet Care →広告主名
TBWA/Chiat/Day →ブランド担当広告代理店
Grey Interactive →インタラクティブ担当広告代理店
Catapult Marketing →ストラテジー/SP担当マーケティング会社(ここはちょい注目)
Weber-Shandwick →PR/コミュニケーション担当・グローバルに有名なPR会社
とあるように、一広告代理店だけの“手柄”としないところがこのアワードを高く評価すべきところなのである。
すべての広告/コミュニケーション活動は単一のクリエイティブ、すなわち「作品」と呼ばれてしまうものだけで評価されるべきものではなく、企業の経済的活動の一環として評価されるべきである。広告/コミュニケーションとはトータルな企業活動であり、当然それにはリザルトがついてくる。一方最近の日本ではやれ「クロスメディア」だ、「検索連動型CM」だ、「クチコミ」だと一過性のブームが起こっているが、そんなものはケタグリにしか過ぎない。Effieで award が取れるようなキャンペーンが出てきてこそ、本当に日本の広告業界が変わったな、と思える瞬間なのだ、と思う。
だから、目指すなら、この Effie award 。ここの winner を獲りに行くんだ!!