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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

消費者庁の設置を前に、マーケティング/広告業界の消火器ビジネスが増えてくる

■インターネット上の風評被害対応コンサルティングで4社連携「ネット風評被害バスタ〓ズ」として、8月21日よりサービス開始 | PR会社 電通パブリックリレーションズ

2chで大炎上をしてしまった、本件。

考えること多し。

まず、“風評被害バスターズ”という名前がまずいんじゃない、と思う。

よくよくサービスを見ると、「ネット上で広がった評判へのリスクマネージメントサービス」なので、サービス自体は悪くない。そもそも「バスターズ」の名前があらわすような、何かを「消す」的なサービス入ってないし。誰?このネーミングしたの、って感じ。

で、次にこのサービスが消費者庁の設置に対して作られたサービスというところに注目。

9月1日に発足するこの消費者行政機関は、広告・マーケティング・メディア業界に大きく関わってくると想定される。たとえば広告業界人にとって必須の知識である、景品表示表もこちらの管轄になるし、特定電子メール法/電子消費者契約法/特定商取引法などのネットビジネス・ネットマーケティング関わる法律も他省庁と連携しながら大きくはこちらへ(というわけで、この機関に関して知らないと相当まずい)となる。

で、消費者保護の観点から作られる機関ゆえ、「訴えられるとどうする?」とか「ネットでいろいろ書き込まれたらどうする?」という企業側も戦々恐々となるわけだ。

というわけで、電通PR他による“風評被害バスターズ”もそうだが、すでに他にも”消費者に訴えられたときにどうしますか?!?”を煽るビジネスがポツポツと出始めており、バブルが始まる予感。

でもこれって、消火器ビジネスに似てるよなあ。と。
危機感煽ってビジネス売るわけだから。

そもそも、消費者にいいサービスを提供する、という視点があってこそ、の危機管理だと思うんだが、危機管理側が大きくなりすぎて、結果として、萎縮したサービスしか出てこないようになったら、それこそ消費者のためにならん。

同様に、あらゆる広告やマーケティングの企画も、重箱の隅までつついたリスクヘッジかけられるようじゃ、面白くなくなるかもね、と思う次第。