夫・杉浦太陽も“オススメ”し、嫁・辻希美も“オススメ”の“生サプリ”について、こんな突っ込みが。
まぁ、そうなるわなあ。いろんな“タレント”さんが(時期を変えたとしても)オススメしている商品なんて、今時消費者は「これは広告」ってわかってしまうもんな。
しかもこんな文章、タレント自ら書いてんのか?と疑いたくなるような、宣伝的文章。
TVCMや通販番組でタレントが商品をオススメしているのが許されるのは、それが「広告枠」やそういう番組である、というコンテクストを見る側と共有しているから。つまりわざわざ「これは広告です」とか「これは通販番組です」と言わずとも、その共通の認識に基づいてるから“欺いている”とはならない。それでもわかりにくい場合は「これは広告です」ってスーパー入れてるけどね。
さて、タレントブログを換金化するビジネスにおいては、タレントブロガーリストを出して「このあたりのブログに書かせることができます。PVはこのぐらいで、このぐらいの金額で書いてもらえます」と、“媒体ビジネス化”されている。まぁ業界ではよく知られた話ではあるが。しかし多くの一般人はうさんくさいとか思うことはあっても、それが“お金を払って掲載されている情報です”とは知らされてないため、消費者を欺いていると言われてもしょうがない。
先に書いた消費者庁発足の話もあるし、JAROの発表によれば、インターネット周りの広告苦情件数は、テレビ/折込チラシに続く、第四位以下を大きく引き離した第三位となっている。
消費者倫理にかなわないビジネスを生み出してばかりいるインターネット広告業界は、その買い手(広告主)がどれだけいようとも、誇られる業界には発展しないだろうし、倫理観に欠け、かつクリエイティビティの低い業界にしかならないだろう。結果として、長期的な人材力の低下/業界全体のダウントレンドを生み出すのではないかな。
まぁ3ヶ月単位とかで報奨金出してるような仕組みになっていれば、短期的な売り上げしか目にしない営業が増えてしまうから、どうしても、即売り上げにつながるような、広告ビジネスしか考えられないよね。
広告は企業のマーケティング行為の一部である限り、その企業のビジネスに貢献しなければならない。その一方、広告というのはメディアや表現の世界でのテクノロジーや芸術/アートほかの文化の牽引役をも少なからず担ってきた歴史があり、今後もそうあるべきと願う。
ここしばらく「広告が面白くなくなってきた」話があちこちで起こるわけだが、それは広告ビジネスに対する倫理観や“文化”面での価値を知らない「新しい広告業界」の隆盛の影響が大きいだろう。そして、それはきっとこうした「タレントに商品のことを(本人が書いてるかどうかは別にして)ブログに書かせて換金する」ビジネスが生まれるような背景と同じである、と。