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メディアと広告とマーケティングと。

社会情報大学院大学 高広ゼミ 2018後期課題図書

 この春から社会人大学院の客員教授を勤めてます。

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 この社会情報大学院大学高広ゼミの後期では、ゼミ生の研究発表に時間を充てるとともに、「サービス・ドミナント・ロジック」や「サービス・イノベーション」の領域の購読とディスカッションを進めています。

 以下、「サービス」という概念は「サービス・ドミナント・ロジック」や「サービス・ロジック」という用語とともに学ぶと、マーケティングや事業開発において今までとは違った視座を与えてくれる、アカデミックにも実業にもどちらにも役立つものと捉えており、社会人向けの大学院だからこそ触れたいテーマと考えています。

 ゼミでは参考図書として以下のような本を隔週で提示していますが、図書リストが欲しいという声があるので、ここで公開します。

 この領域に興味の有る方もぜひ読まれてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに以下全部揃えると、中古本を入れても5万円は軽く超えます。。。

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「定義」とは、今ある「定義」に従いつつ、変化する可能性もあるものだ。

 Twitterで、とあるChief Branding Officerという肩書きの方とのやりとりで、「定義に従う必要はあるのか?」とかその定義は「変わらないのか?」という主旨の質問を頂きました。で、この「定義なんて従う必要ない」って意見、結構見かけるんですよね、とある著名ブロガーとか意識高い系の界隈で。

 で、いつか整理しようと常々思っていたことをちょうどいいのでまとめようと思います。さすがにTwitterの140文字では答えられないので、こちらで。

 

 

 ※ちなみにこの投稿のもとになった「コーポレート・アイデンティティ」については、そもそも定義の混乱が多い概念だということは注記しておく必要があります。例えば、広義の「コーポレート・アイデンティティ」という概念からすれば、「ビジュアル・アイデンティティ」は「コーポレート・アイデンティティ」の構成要素の一つですが、「コーポレート・アイデンティティ」=「ビジュアル・アイデンティティ」というように思われやすい節もあります。これは「アイデンティティ」という言葉をどのように捉えてるかによって違うからなようですが、この点については井上邦夫先生やその他詳しく書いて頂いてる先生が沢山いらっしゃいますので、Wikipediaやそれらを引用したブログなどだけに頼らず、ちゃんとした研究をされている先生方の文章に触れていただいたほうがいいと思います。この文章の主旨はこのことではないのでこれ以上書きませんので。 

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マーケティングにおけるツール導入のことを、ゴルフにおけるクラブセッティングから、ふと考えてしまったという話。

※今回は、ゴルフやらない人には全くわからない話だと思うので、そういう人はぜひ積極的にスルーしてください。

 

 

久しぶりにゴルフを再びやり始めようと思って、クラブセッティングを考えだしたんだけど。

3番ウッドを抜いて、

Dr, 5w, 3UT, 4UT, 5i-9i, P, 48, 52, 58

にしてみてる。

3番ウッドは使いどころが限られてる上に、難しいクラブだ。むしろ5番ウッドで打ち分けるほうがミスが少なくなる。


あれ?これってマーケティングや広告におけるツールの話に近いんじゃないの?って思ってしまった。


難易度高くて使いこなしにくいマーケティングソフトウェアを導入すると、ミスが多くてゴルフバッグの中の肥やしになってしまう3番ウッドと同じように、結局は使われない状態でそのままになってしまう。

それよりももっと難易度が低くて扱いやすいものを、多様な使い方できるようにトレーニングしたほうがいいんじゃないかな、と。

で、マーケティングゴールに近いところを丁寧にやるための施策をもっと取り入れる。。。というのはウェッジ4本ということ。


なんか、久しぶりのゴルフが結局は仕事のメタファーになってるんだけど、これはこれで楽しいね。


ところでゴルフ行きたい。
誰か誘って。

facebookでのやりとりからネット広告の現状について思うこと(長文

さて、つい数日前、facebookに以下のようなことを書いたところ、興味深いコメントがついたので、このブログにも記録として残しておきたい(※1:以下長いのでよっぽど時間があるときにしか読んではいけません/※2:限定公開ではなく公開設定のfacebook投稿でのやりとりです)。

 

高広 伯彦 - 広告プラットフォーム提供企業の業績がいい、というのが、すなわちゴミ広告が世の中に溢れてることと同義であ... | Facebook

高広)広告プラットフォーム提供企業の業績がいい、というのが、すなわちゴミ広告が世の中に溢れてることと同義である、という時に、業界は一体どこに向かうべきなのか。清濁併せ飲むのか、
それとも、
武士は食わねど高楊枝、
なのか。

 そこに、リコメンデーションウィジェット型ネイティブ広告プラットフォームを提供してる企業のとある部署の部長(以下F澤さんと表記)から、以下のようなコメントが入った(もう一つ興味深いコメントが入ったのだけれども残念ながら議論の元になる素地の距離がありすぎると感じたので、そちらは途中でやめさせていただいた)。

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これから先、ROI よりももっと重要なことがあるかも〜ROI/ROMIからROC/ROAの時代へ

 マーケティングや事業開発の話の中で「価値」の話になると、えてして「新しい価値をお客さんに提供したい」とかいう話になりますが、新しいかどうかはお客さんには関係ないということを理解するのも大事。

「新しさ」が価値だと思ってしまうのは、提供者側視点に過ぎない

 

「価値提案」というのは、

 

value proposition = to propose what you can do for customers to get more gain / less pain

 

ということである。

 

また、ここで理解しておくべきことは、「価値」というものは「提案」することはできても「提供」することはできない、ということ。

 

「提供」できるのは「価値」ではなく、(昨今のservice dominant logic的な文脈的な意味での)「サービス」なのである。

 

プロダクトの時代からサービスの時代へ”、ということが理解できる事業者のみこれからは生き残る、というのはすなわち「価値提案」ができ、それを「サービスとして提供できる」ところが生き残るということではないだろうか。

 

プロダクトとは、サービスを提供するためのプラットフォームにすぎず。

 

となってくると、Return On Investment/Return On Marketing Investmentを考えてるうちは、顧客にとって価値のあるマーケティングは考えられず。

 

これからは「サービス」を提供して、Return On Customer/Return On Audience を考えること。これが、「価値」を生み出すということ。B2Cであれば例えばLTVを上げる、B2Bであれば例えば churn rate を低くする。

 

時代は、ROI/ROMIから、ROC/ROAへ、と変化し始めてきている。

 

 

サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用

サービス・ドミナント・ロジックの発想と応用

 

 

サービス・ドミナント・ロジックの進展

サービス・ドミナント・ロジックの進展

 

 

サービス・ドミナント・ロジック―マーケティング研究への新たな視座

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サービス・イノベーションの理論と方法

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