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mediologic

メディアと広告とマーケティングと。

Hello! "EPIC" 2014年には間に合わなかったね。

つらつら ウェブ・技術 オンラインメディア/デジタルメディア

Googleが文章・ニュースの見出しを自動生成する機械学習アルゴリズムを発表、とのニュース。ディープ・ラーニング。。。

japan.cnet.com

 

このニュースを読んで、「コピーライターや編集者も要らなくなる?」と妄想をふくらませる前に、2004年、つまり干支を一周遡った昔にWebに公開されたある映像を思い出した。

2004年以降のメディアの変遷と状況を、Museum of Media Historyが2014年に公開したという想定の映像『EPIC2014』である(のち発展版の『EPIC2015』も登場)。

 

www.youtube.com

 

この中で MSN はニュースをランク付けし、ユーザーがコメントをつけあえる新たなニュースサイトとして"Newsbotster"というもの2007年に立ち上げるとか、New York Timesがオンラインのビジネスをやめ、オフラインの事業だけに集中するとしていたり、10年前に想像された「未来」が映像化されていた。

他にもGoogleがAmazonが1つになり、"Googlezon"というものになって、2014年には個人の情報などをもとにニュースを自動生成する「EPIC」というものが出てきた、というエピソードになっていて、ユートピアともディストピアともいえない、「得体のしれない」未来像が描かれていて、当時この映像を見た多くの人々が衝撃を受けた。

今回のGoogleの見出し生成のアルゴリズムは「EPIC」には遠く及ばない。『2001年宇宙の旅』に出てきたPANNAMの宇宙船は実現してないし、そもそもPANNAMが存在しない。2003年生まれの鉄腕アトムもまだいない。未来を描いたSFは、残念ながら的確に次代を当てる予言にはならない。

しかし、考えてみればSFで描かれた「年」には間に合わなかったものの、大きく遅れて実現してきているような気もするのだが。

 

 

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synapse.am

「面」か「人」か。メディアの価値ってどう考える?

メディア論 広告業界 消費者行動・メディア利用

次の記事を読んだ。

web-tan.forum.impressrd.jp

 

一通り読むと「メディアの価値」とタイトルにはあるけれども、実際のところは、DMPをベースに、一昔前の動的なメールマーケティングに近いやり方である、という印象の記事。

ただし、タイトルにあるような“メディアの価値は「面」から「人」へ”というのは、他にも“「枠」から「人」へ”、という言い方をされることもあるが、オーディエンス・ターゲティングやDMPによるある種の「弊害」でもあるように思う。特にオンラインマーケティングにおけるその「弊害」とは、「メディアの価値」というものを、マーケティング・広告の、しかも購買に近しい「相手」を対象にしたものとして、「人」に置き過ぎるきらいがあるように思うからだ。

ここで語られている“メディアの価値”というのは、『Web担』上の記事だから、文脈上「マーケティング上の」という言葉が"メディアの価値”という言葉の前に入っている。しかし、本来的には“メディアの価値”というのは、例えば社会学や往年のマスコミ研究でよく語られたような「議題設定 agenda setting」の機能にあったり、ないしは一般的にメディアというのは継続性を持って運営されるものだから、そこで紹介される情報・語られるコンテンツによってコミュニティを形成する機能にあったりするように思う。そしてそれらが掲載されるのはまさしく「面」上。

つまり、メディアの価値を語るにあたって「面」か「人」か、というのはちゃんちゃらおかしいのであって、メディアというのは、

「面」に掲載されるコンテンツによって「人」を集めること

にこそ、その本質的な価値があるのではないかと思う。どちらかではない。

メディアが「media」である所以は、いわばマーケターと「人」をmediateする役割を追うのであり、そのメディアの中で多数の「面」の存在がそれを具体化させている。

そしてそこに集まった「人」は、マーケターにとっては「(メディアがもたらす)マーケティング上の価値」なのであって、メディア運営者からすれば「マネタイズ上の価値」である。とはいえ、やはり「面」か「人」かの二元論で「メディアの価値」を言ってしまうのは乱暴だろう。

一方で、「人」よりもメディアにとって「面」の価値が重要であるように思えるのは、やはり、それが「人」を集めるための装置として機能しているからであって、かつその面に載せられたコンテンツによって「人」の興味関心・理解を進めるという態度変容・perception changeを起こすことができるところにある。

オンラインのメディアは、従来のメディアに比べて「リーチ」は弱く、一方で購買プロセスの中の購買に近いところにいる人々を捉えやすいとしてきたが、実際はその業界の人々にとっては「態度変容を促す」というマーケティングの経験値が乏しかったがゆえに、結果として「セリング」に近しい、あるいは「セールスプロモーション」に近い領域を「オンラインマーケティングの優位点」としてきたに過ぎないように思うのだ。

もちろん、メディアの在り方が今までの在り方と違うものになってきているのもあり、メディアの価値が従来と同じものであるとは限らない。たとえばソーシャルメディアで興味のあるコンテンツだけがユーザーに共有されているような状態は、メディアが「議題設定」をしているのでは、ユーザーとコンテンツによって「議題設定」されている、と考えることもできるので。だからこそ、単に「面」か「人」かの二元論ではなく、「コンテンツ」や新たなコンテンツ流通経路も含めた多元的な視点、ないし「人」自身もマーケティングの対象者としてだけでなく、メディア(やコンテンツ)の享受者としての「人」の様態について考える必要があるだろうと思う。

 

 

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synapse.am

大手広告代理店は「代理業」とは別の業務があったよね。あれこそが他に取って代わられることのない部分だった気が。

まじめ 事業開発・ビジネスデヴェロップメント 広告業界

今日は朝から某代理店時代の昔の仲間(戦友)が仕事の相談に弊社オフィスを訪れていて、1時間半ぐらい、本筋の仕事の話とその周辺の話で盛り上がった。

とりわけ、「今の某代理店が、昔の某代理店ではなくなった」ということについて、なぜそうなってしまったのか?という点において、これは深く業務の在り方に関わってくるな、と。

彼の嘆き・悩みを短くまとめてしまうと、目の前の仕事をこなせるという意味で優秀な人は増えたというものの、大きな絵を描けるストラテジストがいなくなった、と。

彼がこちらのオフィスを後にしたあと考えていたのだけれども、これは旧来の代理店という存在が各種勢力(デジタル系広告代理店やコンサルティング会社、デザイン会社、テクノロジーベンダーなどなど)に取って代わられるかもしれない可能性に大きく関係がありそうだ。

結局のところ、旧来型広告代理店のポジションというのは、クライアントより知見や知識があったり、大きな絵を提供できるところにあったように思う。以前はね。

それが、知見や知識にいたっては、クライアントのみならずそれぞれに専門特化した分野の会社が出てきて、代理店からするとそれらの取りまとめ役程度の仕事しかできなくなってしまって、”存在意義”が問われる(=「何してくれるんだっけ?」)ようになる。

一方で、「大きな絵」なんだけれども、これは博覧会や大型スポーツイベントやコンベンションを例にとればわかりやすい(であろう人にはわかりやすい)のだと思うが、大きなイベントごとになればなるほど、大きなコンセプト(=ビジョンや社会的なメッセージ)が必要とされ、これは知識・経験・未来予測などが複合的に絡み合ってくる、実はクリエイティブな領域で、それが「大きな絵」を見せるようになる。

しかしながら、この「大きな絵」を作るためには、そのために相当の勉強というか知識量が必要だったりするんだけれども、どうもそういう教養的な知識というものが、今の広告代理店人には足りないんじゃないか、という話でもある。

これはあまりそう思われることはないかもしれないが、僕自身が知る僕らよりも二世代ぐらい前の広告人というのは教養人だったと思う。今の若い世代よりもね。

 

閑話休題。

さて、そうした前の世代の広告人たちがやってきた仕事を鑑みると、僕らが今思いつく「代理店の仕事」のリストに入っていないものがあるんじゃないかとふと思った。

代理店の仕事はなんだろうか、と考えた時に、

  • 広告主の代理業
  • 媒体社の代理業
  • 消費者(生活者)の代理業

というのが挙げられ、とくに3つめの「消費者の〜」というのは今時のトレンド(=というか耳障りのいい言葉)のように思う。

しかし、代理店が”暗躍”・”黒子”として本領を発揮して動いていたのは実は、例えばオリンピックや万国博覧会、モーターショーなどの、広告主/媒体社/消費者(生活者)のうちの「誰か」の代理業ではない領域であった。

例えば、広告主や媒体社、消費者の代理業、という立場ではそれぞれに対するソリューションを提供するというのが業務になるので、「大きな絵を描く」というのは業務上求められることはない。つまりは、「取引先ファースト」になってソリューションビジネスとしての広告代理業を続けてきた結果、今「大きな絵を描く」という仕事もなければ経験だって培われない状況にあるのではないだろうか。

そういった意味では、取引先ファーストで、かつ大型イベントというのが無くなった(いや実際には代理店が大きく関わるのが減ったというだけで、イベント自体は増えてるように思う)というのは代理店の思考の矮小化につながっているのかもしれない。

やっぱりでかい「祭り」、しかもビジョンやコンセプトが後ろにあるようなものって、もっと代理店の仕事として必要なんじゃないかな。

そして、実は、大手旧来型代理店の得意領域は本当はそういうところにあるのであって、昔でいうと「事業」系と言われた部署は電通にも博報堂からも無くなってしまってるけど、必要なんじゃないかな。

つまり、「代理業」じゃない部分。

この「誰の代理」でもない部分、社会の中での大きな「文脈」を作るというのが、大手広告代理店の得意技だったと思うし、そこは、どこにも取って代わられることのない分野だと思うんだよな。

まぁかっこ良く言ってみれば、“時代”に対する代理業でしょうか。

 

まとまらないので本件はここまで。

 

 

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synapse.am

4年ぶりに広告系総会をやります。

募集 講演・セミナー 連絡事項

はい、タイトルどおりなのですが、8月18日に「広告系総会2016」を開催します。

 

この「広告系総会」は、もともとは2008年に「広告系ブロガー新年会 or 飲み会」として始めたものです。

当時はブログの全盛期(だったと思う)、いろいろな業界人がブログを書いていて、広告、PR、マーケティングに関する熱い思いをぶちまけていました。でも、なかなか顔をあわせる機会もないということで、じゃあ場をセッティングしてみよう!ということで実施。そしたらいきなり90人規模の参加者で渋谷の某居酒屋を出禁になってしまったという逸話まで作ってしまいました。

その後、この「ブロガー飲み会」は「広告系総会」に発展するわけですが、それには2013年6月に惜しまれながらも(きっと転職の関係で)ブログへの筆を止めた『広告会議』の川口聡くんとの談話がありまして、

blog.kokokukaigi.com

 

当時は、

ネット系とレガシー系の代理店の交流もなく、また年齢差のある業界交流会もないよね

という「業界内ミゾ」を認識したことで会を発展させ、”ブロガー”のみならず大きな会にしようということで、「広告系総会」として実施することにしたわけです。

 

※広告系総会がどのようなものだったかは以下のリンクよりどうぞ 

Googleで第一回の「広告系ブロガー新年会」の盛り上がりを調べてみる

Googleで過去の「広告系総会」の盛り上がりを調べてみる

 

その後2012年まで開かれ、150人を超える業界関係者が集まる会になったわけですが、人が集まり過ぎると中身も薄くなり、かつ、”色んな人”が集まるようになってしまい、そして運営も大変になり、そしてかつ私高広自身もいわゆる「広告」からしばらく離れて「B2Bデジタルマーケティング」やら「インバウンドマーケティング」、「コンテンツマーケティング」の業界に身を投じていたことなど複合的要因で、「やってくれ!」という声があったにも関わらず、実施できておりませんでした。

皆様申し訳ございません。

で、ここしばらくネイティブ広告の Sharethrough Inc.の日本代表などもやっていて、Back to Ads!!の世界にも戻ってきて、また、2008年〜2012年当時とは違う、新たな「広告業界内ミゾ」を見てしまっており、それを少しでも埋めることができればなと思い、改めて4年ぶりに開催を企画いたしました。

 

「広告系総会」とは名づけてますが、実際には、

  • 広告代理店
  • アドテク
  • PR会社
  • 広告主
  • CM制作会社
  • デザイン制作会社
  • マーケティングテクノロジー企業
  • コンサルティング
  • そして、学生

など、広告とそれに関連する領域の皆さんが集まります。

広い意味での「業界関係者」の会なので、「お、自分も参加していいのかな?」と思った方は臆せず参加をどうぞ。

参加資格は以下の条件を満たす方、ないしはそれを目指す学生です。

  1. 広告やPR、マーケティングなど、マーケティングやマーケティング・コミュニケーションに関する業種に従事していること。
  2. 多くの人の集まりの中で積極的にコミュニケーションのとれる社会性のある人

 

申し込みはこちらから

 

eventregist.com

 

そして広告系総会公式facebookページの「いいね!」もよろしくおねがいします。

https://www.facebook.com/koukokukeisoukai

 


[宣伝] 本ブログの書き手の高広伯彦は国内外のマーケティング、スタートアップ、新ビジネス、マーケティングのニュース、コラムetcを共有している有料サロン" mediologic.com/unlearning"を運営しています。ご興味ある方は以下からどうぞ。

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あの人は今、的に振り返る90年代のインターネットサービスたち。

Yahoo!がVerizonに買収されることがほぼ決定し、今に続くコンシューマサイドのインターネットの時代を作った「ポータル」が「モバイル」に取り込まれることがほんと象徴的な出来事・・・

90年代からネットの仕事に関わる自分としては、いやあ、時代のでっかい変化を感じます。

さて、nprのadtech関係の記事の中に、「あの人は今」的に、90年代一世を風靡したネットサービスのその後が書かれていましたので紹介。

www.npr.org

 

最初に出てくるCompuServeなんかは日本の初期インターネットユーザーはお世話になったのではないでしょうか? 厳密にいうとインターネットサービスではなく昔のniftyのような「パソコン通信」ものだったわけですが、世界と繋がる感じを最も与えてくれたサービスでした。紆余曲折を経てAOLの一部となりその後消滅・・・

ProdigyはAT&Tになり、AltaVistaはYahoo!に買収されてるなど、、と考えると、20年ぐらいの単位で食うか食われるかが行われてきたようにも思えます。

NetScapeやIOCまでAOLが買っていたということを見ると、いかにAOLがイケイケドンドンな会社であったかということもわかります。

実際、Yahoo!は買収されてしまいましたが、AOLはいまだにWebサービスの買収を続けており、元Googleの北米広告担当トップでもあった、現AOLのトップ Tim Armstrongの手腕に脱帽です。

 

ところで、Yahoo!に買収されて消えていったGeocitiesですが、無料ホームページ制作サービスの走りで、CGMやUGCといったものができたキッカケのキッカケのサービスでした。なんとなくGeocitiesで作ったサイトってわかるんですが、なんと、どこの誰だかわかりませんが、自分のサイトを「Geocitiesっぽく」変換してくれるサイトを作ってくれています(笑

www.wonder-tonic.com

 

ぜひ、適当にURLをつっこんでください。当時のインターネットへの郷愁を誘うページヘと変換されます。

 

 

極端に短いインターネットの歴史

極端に短いインターネットの歴史

 

 

教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

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History of the Internet (English Edition)

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広告代理店は人工知能に置き換わるのか?〜IBM Watsonが広告効果を大幅向上

アドテクノロジー業界 デジタルなマーケティング メディアプランニング

米国の広告業界メディア AdAge が伝えるところによると、IBMが自社の cognitive computingであるWatsonを使い、プログラマティック広告キャンペーンを大幅に向上させているらしい。

adage.com

※Watsonに関する説明はこちら。

www.ibm.com

 

AdAgeの記事が伝えるところによると、平均してCPCが35%削減でき、もっとも良いケースでは71%も下げることが出来たという。

IBMは年間で5300万ドルもディスプレイ広告に費やしているというので、プログラマティック比率はわからないが、仮に8割に適用されたとすると、おおよそ1500万ドル。つまり 15〜16億円ぐらいの削減になるというのだから凄い。

IBMはすでにあのでかいコンピュータやThinkPadのハードのイメージはまったくなく、ソフトの世界の会社になり、そしてコンサルティングやエージェンシー業務の会社になったわけで、とりわけ広告業界にとっては、IBM Interactiveなどが他エージェンシーのバイイングも進める中で、(他のコンサルティング会社のエージェンジー業務参入とともに)非常に脅威になる話。

だって、IBMグループが、

「メディアプランニングやトレーディング/バイイング業務はぜひ弊社に。うちにはWatsonっていうメディアプランナー/バイヤーがいます。しかも日々成長しています。」

なんて言ってきたら、そりゃあ広告主もいちころでしょう。

このAdAge掲載のIBMの話は、自社をまず実験材料にして、その成果をもとに他社に売り込むためのものでしょう、恐らく。

今後は、

  1. IBM Interactiveなどが広告主に直接売り込む(代理店への脅威)
  2. IBMがWatsonをメディアエージェンシーに売り込む(代理店との協業)

の2つに進むのでしょうね。

となると、WPPのトップであるSir. Martin Sorrel が2006年に、Googleのことを Friend + Enemy (友人と敵の双方を併せ持つ)として、"Frienemy"と言いましたが、そこから10年、今度はIBMが新たな強力な"Frienemy"として登場してきたということになります(※もちろんGoogleも同様にCognitive computingを同社のアドプロダクト、特にDCLKあたりに導入する可能性は(低いながらも)あるでしょうけど)。

広告業界にとっては、単に「**デジタル」という組織を作るだけでなく、むしろこうした Frienemies との競争と協業を繰り広げることを前提にビジネス戦略を練っていかねばならない時代に入っており、代理店間での競争の時代(つまり電通や博報堂といった”代理店業界間”での勝負)は、企業戦略レイヤーではすでに終焉しているといっていいでしょう。

むしろ、20年前から言われてましたが、本当に広告業界外という、外宇宙からの脅威にどう対応していくのか?・・・

 

相手は Star TrekのBorg並に脅威です。

www.youtube.com 

 

代理店は戦うだけでなく同盟も含めて考えていかねばならないでしょうが、そういや Borg の決まり文句は、

We are the Borg. Your biological and technological distinctiveness will be added to our own. Resistance is futile.

我々はボーグだ。お前たちの生物学的・技術的能力は我々に同化される。抵抗は無意味だ。

 でしたね・・・・

 

 

 

 

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PokemonGoは社会学的な「流行」概念の勉強に良さそうだと思ったので、雑感。

マーケティング研究 事業開発・ビジネスデヴェロップメント 消費者行動・メディア利用

PokemonGoは米国でのリリースから累計して、すでに7500万ダウンロードとなっているらしい。まさに脅威的。この背景には、ポケモンというコンテンツがいかに世界で普及していたかが当然あるでしょうし、もしポケモンモノでなかったとしたらここまでは届いてないかもしれませんので、他のゲームと比べるのも実は正しくないのかもしれませんが。でも凄い。

 

www.gamespark.jp

 

ちなみに7500万という数字、2015年の世界の各国人口ランキングで見てみると、19位のトルコ(7700万人)と20位のタイ(6900万人)の間ということで、世界19.5位の「ポケモン国家」が成立してるということになります。

 

さて、このPokemonGoの短期間での大ブレーク成功に対して、そろそろ、

「飽きた」

「一週間か二週間ぐらいしかもたないのでは?」

「一ヶ月後のユーザー数が楽しみ」

といった声がチラホラ見受けられます。

 

こうした声に対して、今めっちゃくちゃ楽しんでる人たちからは「新しいテクノロジーに対して批判的な人に対するアレルギー」というものが出ていて、”批判”と”批判に対する批判”みたいなものの応酬が興味深くすらあります。

私は、新しいテクノロジーの受容期には、否定的な態度と肯定的な態度が両方極端に現れるという持論があり、かつ無態度・無関心層もいて、3つの層で成り立つと思っているのですが。

 

さて、このPokemonGoが短期的な話題で終わるのか、それとも長く続くのか、それはわかりません。個人的見解としては、現在のPokemonGoのゲーム性だけを見ていると、今のようにがっつり遊ばれることが長く続く感じはしていません。それはジム戦や育成があるレベルからめっちゃくちゃ大変になることから感じていて、図鑑にポケモンを集める程度の遊びになってしまえば、利用時間は相当減るでしょうから。一方で元祖ポケモン(xゲームボーイ)が持っていたような友人間対戦がちゃんとリリースされれば、少しその状況は変わると思います。

 

スマートフォン上のゲームのソーシャル性は一部のゲームを除けば、日常的な友人間での「ソーシャル」というよりも、見も知らぬでもネット上で出会う人々との「ソーシャル」で成り立っているように思い、かつそれはネットの特性を活かした素晴らしい発明な気もします。しかし、一方で、ネットではなく有線ケーブルや赤外線通信という極々近距離の通信機能をもったゲームボーイだからこそ、「近距離ソーシャル」の中で子どもたち(もちろん大人も)にて広がった元祖ポケモンは改めて凄いなあ、と思わされる次第です。

 

任天堂ノスタルジー 横井軍平とその時代 (角川新書)

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さて表題に戻ります。PokemonGoの流行は、非常に社会学・社会心理学的なネタだな、とも見ています。というか、流行の研究は、社会学における古典なので。

もともと「群衆心理学」という名前でル・ボンという社会学者が、「人間は基本的に他人を模倣する生き物で、その模倣が感染するように広がっていくと”流行”になる」と主張し(これを通称「感染説」と言う。)ていました。 

群衆心理 (講談社学術文庫)

群衆心理 (講談社学術文庫)

 

 

また、これまた古典中の古典であるジンメルは、「流行は模倣(=他人への同調)と、それに同調しない他者との差異化である」ということをいい、この2つが流行論の古典になっていますジンメルの場合は、別のグループに所属するメンバーがこれまた別のグループとの違いをはっきりさせるために、グループごとにグループ内でのアイデンティティを保つために流行が生まれるとしているので、その拡がりや差異化・個性化の過程で、流行は寿命があるとしていたりして、古典とはいえ今にも示唆的なものがあります。特にジンメルで面白いのは、「今のところの生活に人々が飽きていたところに大きな流行が生まれやすい」とかいう話もしているので、ああPokemonGoってそんな感じかなともおもったり(笑

 

ジンメル・コレクション (ちくま学芸文庫)

ジンメル・コレクション (ちくま学芸文庫)

 

 

この分野は、ラザースフェルドやヴェブレン、ロジャーズといった古典が他にもたくさんありますが、ご興味ある方は以下の本あたりをどうぞ。

メディア・情報・消費社会 (社会学ベーシックス6)

メディア・情報・消費社会 (社会学ベーシックス6)

 

 

 

ところで、流行論的に考えたときに、PokemonGoは"fad"なのかどうか、というとこに注目しています。

流行現象には「衰滅型」と言われているものがあり、これはマスコミュニケーション普及以降に出てきた流行の型と考えられ、情報が短期間に行き渡るようになると、流行の発生と衰退のどちらもが短期間に起こるという見方です。

これは"fad"とも呼ばれますが、概して、コンシューマグッズに関してホリデーシーズンに起きやすいと言われています。米国ではキャベツバッジ人形やBeanie Babiesなどがその例であげられ、日本ではたまごっちがそれにあたるでしょう。

一般的にクチコミは短期間で起こることをマーケターは求めがちですが、ちょっとした統計・シミュレーションソフトを使ってシミュレーションしてみても、短期間で流行った・普及したものほど短期間しか持たないという結果が出てきたりします(重要なのは新規のユーザーを短期に増やすことではなく、いかにリピートさせるかという当然の話になるわけですが)。

こうした見方をすると、PokemonGoは今のところ、まさに"fad"の型にハマっているのでもしかすると、ちらほら聞こえてくるように(「Ingressと同様に」)一般的には短期的なブームとなり、コアなユーザーが残る・・・という可能性はあるでしょう。図鑑にポケモン集めるといっても上限ありますからね。

いずれにせよ、社会学・社会心理学の「流行」や普及理論をこの期に学ぶ・学び直すのは良さそうな気がします。

 

 


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