【ニューヨーク25日共同】AP通信によると、イスラム社会に対する欧米の偏見を歴史的に論じた「オリエンタリズム」などの著作で知られる、米コロンビア大教授エドワード・サイード氏がニューヨークの病院で死去した。67歳。出版社の担当編集者が25日、明らかにした。白血病を患っていたという。
1935年、英国委任統治下にあったパレスチナに生まれる。学生時代に米国に移住した。「イスラム報道」「知識人とは何か」「戦争とプロパガンダ」などパレスチナ問題やイスラム教に関する著作多数。
2001年9月の米中枢同時テロ以降はテロ問題や米軍などのアフガニスタン攻撃についても積極的に発言していた。
2000年にレバノン国境でイスラエル側に投石し、論争を巻き起こした。(共同通信)
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イスラム系カルチュラル・スタディズとして昔読ませていただきました「オリエンタリズム」。
今の諸問題はこの本に書かれた文化的問題と政治的問題の交錯したとこにあります。
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■サイードの著作群
「オリエンタリズム(上)」/「オリエンタリズム(下)」
-- サイードの代表著作。西洋の植民地の結果としての”オリエンタリズム”。その成立のプロセスと西洋批判。オリエントの逆、オクシデント(西洋)の中に”オリエンタリズム”が存在し、西洋(=支配者)/東洋(=従属者)という構図を形成している...といったことを書いた文化論。読んでおいたほうがいい本
「知識人とは何か?」
-- サイードによる理想的知識人論
「戦争とプロパガンダ]
-- 9.11に関連したサイードからの提言・論文集。ちらっとでも読んでみていい本。「オリエンタリズム」よりもとっつきやすいかも。