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普通の人が作り上げていく世界の写真集と、CGM+Web2.0の話

■GREEマップ(要・ログイン)

GREEがフォトタグ機能+Google MapのAPIを用いた「GREEマップ」を公開。

一言で言うと「普通の人」が「地図に写真」を貼り付けていってつくる世界写真集。
(まぁ実際にはタグで拾ってるから貼り付けるって感覚はないけど)。

ゴダールの映画で「カラビニエ」という僕がゴダール作品でも特に好きな作品がある。
「カラビニエ」は基本的には戦争風刺映画なのだけれども、召集された農夫たちが「戦争に行けば世界中の富が手に入る」と言われて戦争に行く、というドラマ。
この映画の中でこの二人の兵士が参戦した先の世界中の写真=絵葉書を何枚も持ち帰る、という件があるのだが、ちょっとそれを思い出した(内容を書きたいのだがネタバレになるので、是非見てください。なるほど!って思うから)。

さて、もう一言。

CGM=Consumer Generated Media というコトバから発展して、最近では、CGC=Consumer Generated Contents というコトバも出てきている(まさにGREEマップもこうしたCGCと言えるだろうけど)。こうしたコトバを「消費者が生み出すコンテンツ」と普通は訳すことになりそうだが、”消費者”というコトバがもう適当でない気がしてきてしまう。”素人”と”玄人”の境目も無くなるだろうし、むしろprofession/professional という「それで食べている人」と、people の違いの中に適当なコトバを見つけなければいけない気がする。つまり、CGM/CGCというのは、people という「集合」の中で生まれるコンテンツであるということ。誰か優れた人物が出てきて作った玄人はだしなモノを指すわけではないので。

Tim O'reillyのWeb2.0 的に言えばインターネットというのは「集合知 collective Intelligence」であり、かつそれらはリンクされているのでデリック・ケルコフ的に言えば、「結合知 connected intelligence」というリンクや検索エンジンで結び付けられたコンテンツ。

普通の人々 people の「知 intelligence」が「集合 collection」され「結合 connective」されている。そしてそれらが、database of intentions として機能する。

実は、CGM/CGCとは、blogだ、SNSだ、というツールとして目に見えるものではないところに、もっと本質があるんだろう。

GREEマップはいわば、世界各国でGREEユーザーが切り取った「the picture 光景/事実」(=観光写真だけではないことが重要)の集合体=collective/connective vision といったものなのだろう。