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Vertical Ad Networkはカスタムターゲティングに駆逐されるか?

■Vertical Ad Networks Clash With Custom Targeting - ClickZ

なかなか刺激的な記事。

日本でもはじまった gram のようなカテゴリー特化した Vertical Ad Network はネット広告(特に媒体側)にとって救世主となり、代理店にとっても非常に使われてるようだ。

しかし一方で Google、Platform-A、Yahoo、Microsoft のようなポータルや巨大ネットワークが構築しようとしている「カスタムターゲティング」(=ネットワークから自由にサイトを選び独自かつ擬似的に専門特化したメディアネットワークを作れる仕組み。たとえば Google AdWords の Placement Target など)に駆逐されるのではないか、というテーマが表題なわけだが。

ただ読み進めていくと、代理店よっては、Vertical Ad Network は「(広告枠の質として)フィルタリングされている」からよい、という意見もあり、かつ、大きいアドネットワークによる「カスタムターゲティング」は「空き枠購入」の印象が強いようだ。

たとえば、Periscope というエージェンシーのメンバーによれば、25%の広告主がニッチなアドネットワークへの支出を広げているとしている一方、

"Our spend has been shifting in the favor of vertical ad networks, reducing the budgets of both content placements and general ad network placements"(コンテンツターゲットと一般的な広告ネットワークへの広告予算を減らし、vertical ad network へ予算をシフトしてる)

という動きらしい。

おそらく Vertical Ad Network の場合、「枠いくら」で売られているので"reservation" と英語では呼ばれるように「ちゃんと指定した枠が指定した分だけ購入できる」わけだが、「カスタムターゲティング」のほうはimpressionが欲しい分だけ購入保証されるようなものはネットワークの特性上(少なくともいまのところ)、あまりできない(この部分が、Google AdWords/AdSense や 旧Overture のネットワークにとって、一部広告主側からみれば「安く購入できる」できるという支持される強みでもあり、媒体側から見れば「高く売れない」という採用するときに躊躇される(=空き枠での採用となる)弱みとなっている)ので、ブランド価値を大事にするような広告主にとっては、やはり Vertical Ad Network があってこその、カスタムターゲティングという選択肢なのではないかと思う。

つまり、Vertical Ad Network はこれからも選ばれそうだし、カスタムターゲティング側は「いい枠」をとっていければ代理店/広告主にも選ばれそうだが、それができなければ高い価値を持って売ることはできなさそうだ、という話になるだろう。