この一年ぐらい、インタラクティブメディアとレガシーメディア(テレビ/新聞/ラジオ/雑誌)との使い方の違いを説明するときに、
【 exposure 】のメディア = マスメディア
【 experience 】のメディア = インタラクティブメディア
という話をしてきた。
マスメディアがブランドを露出/認知させるために使われるように、インタラクティブメディアは、brand experienceの場として使うべし、というもの。
特に、ブランディングはもともと絆をつくる、ということなので、インタラクションによる絆づくりが、interactive branding / interactive brand experience なんだと思う。
「使い方」の概念としてはこれで、なんとなくわかる、しかし一方で、「メディアとしてのパワーはどうなのか?」という点が依然残るので、最近、exposure/experience に加えて、
【 injection 】のメディア / 【 influence 】のメディア
という概念を考えている。
この injection/influence の分類は、マスメディアとインタラクティブメディアを分類しているものではない。メディアパワー=伝達力を二つに分けている。
例えば、
テレビ/新聞/雑誌/ラジオ/バナーを中心としたインターネット広告
→→→ 【 injection 】のメディア
ブランディングサイトを初めとするWebSite/モバイルメディア
→→→ 【 influence 】のメディア
となる。
injectionのメディアは比較的短期間で”(メディア)消費”されメディアの前に人がいるその瞬間しか届かないタイプのものを差し、influenceのメディアは”閲覧性””クチコミ性”が高く、かつメディア自体が長期的に存在するので人が自ら訪れる/広める可能性を持つものを指す。
こう考えると、数値的に考えると興味深いロジックが生まれる。
某中央紙の部数800万部 として、アドリーチが10%だとして、
=広告に接触した人=80万人。
その広告の商品を認知した人が上記の30%だとして、
=商品認知=24万人
商品理解した人をそのうちの50%だとして
=12万人
となる。新聞の場合、これが”一日の出来事”である。
一方、WebSiteの場合
ユニーク・サイト来訪者が12万人/月
というサイトがあった場合(実際には閑散としたサイトが多いことは今は置いておいて。。。)、サイトに来る人はすでになんらかの目的・意味があって来る人だと考えると、新聞でいう商品理解フェーズに近い人々だろう
と考えると、特にマスメディアとwebsiteとのメディアパワーを比較するには、実は情報に接触する人の数が”時間”の見方によって変わるという点をとどめておかねばならないのだろうか。
つまり、短期に注射のように情報を「届ける」 injection型のメディアと、長期に情報を「広げる」 influence型のメディア、という分類をすべきではないだろうか。
influece型のメディアをプラニングする際には、「いかにして伝播しやすくするか?」ということに留意すべきだろう。また同時にinfluenceの発火点 ignition としての injection のメディアとの連携を考えるべきなのだ。