mediologic

メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

DRIVING SCAPE

第二回東京インタラクティブアドアワードではWebCINEMA "TRUNK"以外に実はもうひとつ賞を頂いている。その他WEB広告部門で銅賞の"NISSAN Desktop Tools" がそれ。純粋なWEBサイトではなく、「アプリケーション」というカタチをとったこの desktop branding tool は"DRIVING SCAPE"というコンセプトを打ち出して企画している(最新版はココ)。

そもそも人が車に乗るのはなぜか?

という、非常にプリミティブなところに立ち戻って産み出したコンセプトである。
もちろん機能的に必要とされる側面もあるが、もっとエモーショナルな点では「車に乗る(DRIVING)ことでしか味わえない風景(SCAPE)の移り変わりがあるから」ではないか、と。

"land sacape"やマリー・シェーファーの"sound scape"といった、「(土地の)風景」や「音風景」のように、人間が目や耳といった感覚器官で感じる、”自分の外”のものとのある種のコミュニケーション。
車が与えてくれるのは、スピードとともに移り変わる刺激的なコミュニケーションなのだろう。

今年のカンヌのCyber部門のGoldをとった "SAAB - INFITINE DRIVE" はまさにそうした刺激を与えてくれる experiential なサイトである。

なにか凝ったギミックがあるわけではなく、ただひたすら道を進むだけ。

普通、インタラクティブなクリエイティブというのは、サイトをどうやっていじってもらうかということだと捉えている人もいる。しかし、それはあくまでもインタラクティブのテクニカルな側面に過ぎないのであって、たとえサイトビジターがマウスを動かすことが一切なかったとしても、「キモチを動かす」ことができることが正しいインタラクティブ・クリエイティブなのだと、僕は信じている。

ブランド(サイト)とコンシューマとのインタラクティブなコミュニケーションをいかにつなぐか。
つまり、互いの Inter-Action の中でのクリエイティブをどう開発していくか、なのだ。

この SAAB の INFINITE DRIVE はまさに、「いじらせることないインタラクティブなサイト」。

実は、同様の企画前から構想してたんだけど、諸事情でできてなかった。
あー、ちょっと悔しい。よし、次行こう、次。