Joe Pulizziといえば、Content Marketing Instituteの代表であり、2009年に出した、"Get Content Get Customers: Turn Prospects into Buyers with Content Marketing"以降、コンテンツマーケティング業界のカリスマであり、もっと有名な伝道師である。
その後に出た、
Managing Content Marketing: The Real-World Guide for Creating Passionate Subscribers to Your Brand
と、
については、それぞれ、インフォバーン/メディアジーンといったコンテンツマーケティングの意欲的な企業の”こばへん”こと小林弘人氏監修のもと訳された、これと、
電通グループの戦略PR系のチームが訳した、この本と、
の二冊が日本語で読める。
正直なところ、此の手の本は訳者自身の業界への知識度合いによって訳の妙が変わるので、僕自身は日本語では読まず、できるだけ原著のまま読むようにしている。そのほうが勉強になるしね。
さて、上記のように日本でもモテモテのJoeが新しい本を出すらしい。
それが、
この本である。非常に面白そうである。予約して発売日にkindleで即DL決定。
そしてこれ、9月8日発売。
この発売日、非常に意味深なのだ実は。
さて、米国でも Content marketing派とInbound marketing派のような争い、というか、空中戦がずっと続いており、HubSpotなどのInbound marketing派からすると、「コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの一部」だし、JoeたちContent marketing派からすると「インバウンドマーケティングだけでいいの?コンテンツマーケティングはもっと幅広いよ!」なんて言い合っている。
例えば、Joe自身は次のような文章を残しており、このあとも昨年の末ぐらいにHubSpot側から出た「Content mktg vs. Inbound mktg」的記事に憤慨していた。
The 7 Business Goals of Content Marketing: Inbound Marketing Isn’t Enough
実際、僕自身にとっては両者は重なりあうものの、それぞれの大きな枠組みがあると考えてるので、どっちがどっちを飲み込むという話ではないと思う。
しかしながら、この怨恨はJoeにとって根深いようである。
というのも先に言った、Joeの新刊、"Content Inc."の発売日は、
- HubSpotの年次イベント INBOUND 2015 の開催初日
- そしてJoeの率いるContent Marketing Worldの開催初日
で、両者はそもそも別日程だったのがぶつけ合ってる状況であり、
- "Content Inc."の中身がどうも、「ベンチャーこそコンテンツ企業になれ」ってメッセージのようで、これはそもそもHubSpotの創業者がHubSpot作った理由として語っていた話に被せてきている
のだ。
僕自身は初めて Joe に会ったのはINBOUNDの会場だったので、彼も過去には足を運んでいたのではあるが、どうもこの発売タイミングと中身を見る限りはキナ臭い感じがするのである。
Inbound marketing派とContent marketing派の争いはあまり両者にとっても、またその手法を採用するマーケターにとっても大してハッピーではないので、ここに書いてあることが憶測で、Joe自身がINBOUNDのイベントにあわせ、話題にのって本を売るということだけならいいんですけどね。
ちなみにこちらがINBOUNDの会場でのJoeと僕です。