なにやら某社が「ビヘイビア・マーケティング部」なる部署をつくるらしいが、USなどで話題になり、かつ日本でも今年からスタートしだす、Behavior targeting とはどうも違うような、金になりなさそうな話で、かつ、Behavior Targeting の本来的な考え方を誤解されないように、ここに、非常にわかりやすいエントリを見つけたので、メモ的においておきます。
■行動ターゲティング vs 文脈ターゲティングpt.1 ~まずはネット広告の歴史から (Behavioral Targetting VS Contextual Targeting)
■行動分析型ターゲティング~AD:TECH2005
ネット広告のこれまでの歴史も踏まえて書いてあるので、わかりやすいです。
正直、いくら消費者の行動を正確に分析することができたとしても、その行動に対して的確に広告を送り届ける仕組みがないと、なんの役にもたたない、頭でっかちな話にすぎないんですよね。
結局は、ビヘイビア(行動)に応じて広告を出せる仕組み、ってのを開発or普及させることができるかどうか、みんなが使えるかどうかだと思います。
これは、質より量、ではなく、質と量、の世界なので、一社が囲い込んで行えるビジネスではないので、従来のような、代理店型買い切りビジネスでやってたら、ほぼほぼうまくいかないですね、きっと。
ちなみに「消費者行動分析」という「分析」というフレームは、ミクロ経済学・心理学・社会学の領域でずっと前からあるものです。
たとえば、このあたりを見ていただければ、よいかと。
広告会社における取り組みとしては、2001年にエンバイロセルのパコ・アンダーヒルと提携したココなんてのは、今振り替えれば非常にすばらしい。
でも、広告会社においてはこの領域ってなかなかビジネスになりにくいと思うんですよね。
その理由は、
1)結局、メディアのコミッションビジネスが染み付いていて、フィーで稼ぐモデルが、様々な要因で進めにくい
2)いいプラニングをして、うまくいったといっても visible なものになりにくい。
なので、広告会社においては、ビヘイビア・ターゲティングという、メディアビジネスのモデルで展開するか、あるいはビヘイビア領域専門のコンサル会社つくるか。。。といったことをしないと金にはならないんじゃないかなあ。
ふむ。
まぁ、「行動分析」「購買行動分析」については、色々本が出ているので、そちらもあわせてどうぞ。
まずはこれがおすすめ。
著者の平久保さんは、この本、の著者でもあります。
ちょっと古いですが、変遷を知るためにもこの本もオススメ。
パコ・アンダーヒルの著作はこの辺。面白く読めます。彼は基本的に「小売」のマーケティングですが、トータルなマーケティング戦略を考える上で示唆に富みます。
こちらは、心理学的な立場からの「行動分析」。マーケティング用ではないが、「行動分析」という言葉のはらむ幅広さを知るのによい本。