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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

広告という外来生物が、どう環境に適用し変容していくのかの道。それがネイティブ広告。

※この文章は難解めに書いているので、こういう文面が苦手な人は読むことをおすすめしません。その場合は一番下のリンク先を真っ先にお読みください。

箱根湯本にある、神奈川県立生命の星・地球博物館にて、「特別展 どうする?どうなる!外来生物」という企画展をやってることから思いついた、ちょっと変わった視点からの「ネイティブ広告」に関する説明を以下に。

外来種(外来生物)っていうのはある環境において本来その場にいるはずがなくって、例えば在来種を絶滅においやるなど害を及ぼすから嫌われやすい。

外来種は alien species (or invasive species)という呼ばれ方をし、一方で在来種は native species という言い方をする。

これをメディアビジネスや広告の世界であてはめてみる。

まず第一に、メディアを利用する、いわゆるメディア消費だと体験だとか言われることをしている人は、そのメディアに掲載されているコンテンツを消費している。

プラットフォームという言葉に置き換えれば、そのプラットフォームをユーザーとして体験している。

これらのメディアやプラットフォームを“環境”と考えると、そこで配信されているコンテンツ、利用されている情報が在来種=nativeなのであって、広告というのは alien だった。これは(テレビの初期などを除けば)ずうっとそうなのであって、そもそも広告と媒体側のコンテンツや情報というのは水と油の関係、それらは隣合わせにおいてあっても別物として認識されてきた。

広告というのはコンテンツとコンテンツ、ユーザーの体験の間に挟まれてお邪魔していたものだ。つまりメディアやプラットフォームの native な環境を alien として邪魔していた。

で、ネイティブ広告というのは、広告がメディアやプラットフォームの環境に合わせて native 化する仕組み。invasive だとか intrusive と呼ばれてきていた広告というものを変えようという仕組みでもある。

なので、相当、マインドセットを変えないと理解できないのかもしれない。

広告やマーケティングというもののこれまでの在り方を前提から変えないといけないのであって、

1)そもそも企業が提供するコンテンツは相手にとって有益な情報になりえるのか 2)そのコンテンツを制作することができるのか 3)それらのコンテンツを拡めることはどうするのか 4)役に立つ情報・・・コンテンツへのトラフィックを生む広告が従来型の枠で邪魔をする存在でいいのか

などなどといった課題が考えられる。

1)2)はコンテンツを作るということへの課題だが、3)4)は枠の問題である。

そもそも嫌われる枠だった広告枠、すなわちalienという存在が、その環境に受け入れられる native な存在へとtransformができるのかどうか。

このことについて、広告主や広告マン、プラットフォーマー/メディアが、ユーザーイニシアティブなマインドセットで「広告枠」を生み出せるかどうか、それが試されているのがネイティブ広告なのだと思う。

参考にこちらをどうぞ: 「ネイティブ広告」はブランディング広告の最終形態ー新たな広告のエコシステムを目指して議論と実践は続く MarkeZine ネイティブ広告を正しく理解する Smashmedia - note ネイティブ広告最前線 ネイティブ広告とは一体なんなのか? 日経BP Mobile and Socila Media Week 2014