ここのところ、献本をいただくことが多く、本当はすべて目を通してここにコメント書かせていただきたいところなんですが、すみません。できてません。
で、最近はPR会社の方とお会いすることも多いし、「協業しましょう」とありがたいお言葉をかけていただくこともあるわけですが、こちら方面の方からいただいた本では、「これからは広告ではなくPRの時代」的な中身が多い。
もともとこういった話は、アメリカでは2002年にハードカヴァーで発売された Al Ries のこちらの本、が発火点だったりして、日本でも遂にほとんど同タイトルの本が溢れかえる時代になってきた(正直、ケーススタディ以外でこのAl Riesの本に勝るこの手の本はないかな。”PRと広告の違い”を認識するのによい本です)
でもね、「広告の時代は終わり、PRの時代に」ってのは、PR業界のアジテーションに過ぎないような気がして、本質的じゃない気がするわけですよ。
Sergio Zyman の言葉を借りれば "The end of advertising as we know it (我々の知っているこれまでの広告の終焉)"っていう話なのであって、また、広告かPRかという二項対立の話ではない。
まあ、それだけ広告業界が弱っていて、PR業界がイケイケどんどんな感じなのかもしれないけれども。
で、イケイケどんどんなPR会社さんの話を聞いてると、「昔の」電通のPR局とか博報堂のCC局がやっていたメソッドや考え方と酷似していたりする(つか、現・博報堂ケトルの嶋さんは今考えてもすばらしいね、当時から)ので、一方で、それらの部署をもっている(いた)にも関わらず、それらを活用(=マネタイズ)できなかった広告代理店の課題も大きいな、と。
PR会社は、広報領域から宣伝領域の部署に進出する一方、トラディショナル代理店はそのあたりを縮小してしまった弊害がここにあり、ってことか。残念。
とはいえ、本質的には、広告主の課題を解決する手段としての(狭義の)「広告」が、以前はそれだけで“解決できていたように思えた”のが崩壊し、様々な手法が求められる時代になってきているということなのであり、PRですらその一部、にすぎない。となると、広告会社でもない、PR会社でもない、その上のレイヤーの位置する、マーケティングコミュニケーションエージェンシーが必要なんだろう。
ここから先の話は後日また思い立った時に。
※あ、日本語になってたんですね。