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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

ファッションブランドのサイトにはPinterestが合うよね〜と、法的問題。

香港に拠点を置くリシュモングループのブランド『上海灘』のサイトを見ていると、ちゃんと Pinterest対応がされていたので、ちょっとメモ程度に説明を。

■上海灘 SHANGHAI TANG  http://www.shanghaitang.com/ 

以下のようにそれぞれのアイテム写真を大きくすると、左隅に「Pin」ボタンが出てきて、それをクリックすると自分のボードにその写真を貼ることができるようになっている。

[caption id="attachment_2462" align="aligncenter" width="300"] Shanghai Tang 上海灘のページより[/caption]

こうした Pinterest 対応はいろんなところで言われているが、一方で Pinterest は legal issue があるという見解も多い。

■ Pinterest and legal issues

しかし、上記の上海灘の例のように”公式”に、[Pin]ボタンを設置すれば、それは事実上そのブランド・企業がPinterestでの利用を認めたものとなり、Pinできる写真については legal issue を幾分、のりこえることができるだろうと思う。

実際、PinterestのBoardにブランドなどの写真を集める人は「ファン」なのであり、その「ファン」にブランド側から”素材提供”をすることも、”ブランド側からのエンゲージメント”として考えておくべきなのではないだろうか? ただ、残念ながら、企業側は「ユーザー側からのエンゲージメント」を追い求める一方で、自分たち側からのエンゲージメントをすることにはなかなか努力を払わない。

また、著作権の考え方についても、クリエイティブ・コモンズ(CC)などの新しい考え方を理解しておく必要があるだろう。坂本九の『SUKIYAKI』以来のビルボード1位曲になるかと思われた、Psyの『Gangnam Style』の場合、当初より著作権や肖像権をフリーにしたことが成功の要因だと見ている海外の研究者もいる。つまり、権利を保持し囲うことはすでにマーケティング上の”リスク”となっているのではないか?という考え方である。

ユーザー(消費者)側に「何されるかわからない」といって怖れるのではなく、むしろ積極的な”素材・情報提供”によって、ユーザーとのコミュニケーションが円滑になり、炎上を防ぐのではないか、とも思った次第です。