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テレビの復活要因

テレビの接触時間が減っている傾向にある、というのは、何もインターネットがその時間を食っているから、というわけではない。
よく言われるように、テレビとPCディスプレイの両方を立ち上げている「ダブル・スクリーン」も普通になってくるだろうし、テレビとネットは「競合」ではなく「共存」関係になっていくだろう。

むしろテレビの接触時間と関係があるのは、コンシューマの生活時間/行動の変容ではないかと思う。

昔のテレビは、「家に帰って見る娯楽」だったと思う。

しかし、モノを買うにせよ、メシを食うにせよ、遊ぶにせよ、営業時間の遅い店が増えた結果、今は「娯楽」はいくらでもあって、テレビはこうした「家の外の娯楽」に対抗しなければならない。中でも特に「人と会う/話す」というような、”コミュニケーション娯楽”と。

今後テレビはHDDレコーダーが普及し(きっとテレビデオのHDD版も今後出るハズ)、プログラム(=番組)自体はタイムシフト視聴されるだろうし、地上派デジタルが普通になってくると、ちょっとしたインタラクティブ機能がついてくるものの、PC/ネットを凌駕するようなものではないかもしれない。

少し僕なりにテレビというものの時代を分けてみると、テレビには3つの時代があった。

1) 街頭テレビ時代
2) 居間テレビ時代
3) 個室テレビ時代

1)の場合はテレビの前にはたくさんの人が集まったし、2)の場合は家族が集まっていた。
しかし3)のようになると、テレビの前にはひとりしかいない。

テレビはみんなでワイワイガヤガヤと楽しむものだったが、それがひとりで楽しむものになってきたのである。

とすると「みんなで共有する楽しみ」ではなくって、「ひとりで楽しむ」ものとしてチカラをつけなくてはいけなくなったのだろう。

一方で娯楽なんてほかにもたくさんあるわけだし。

それでテレビは昔ほど見られなくなったのかもしれない。

テレビが復活するためには、みんなでライブにワイワイガヤガヤするための何か、が必要なのかも。

一昨年のワールドカップのパブリックビューイングの成功はそうしたことの表れなのではないだろうか?

となるとネット側がテレビに貢献できるとするときっとインスタントメッセンジャーとテレビの連動とか、「ライブに人がつながる」部分ではないだろうか?