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どこでもテレビ

■日本の番組を海外でも ソニーがポータブルTV新製品 (asahi.com)

海外駐在者向けに、日本に設置したテレビチューナ付PCから赴任先のPCへ番組を転送するという同様のサービスがあったが在京キー局が裁判を起こし、サービス停止に追い込まれるような状況が昨年末に起こっている(この件については”録画ネット”のサイトをご覧ください)。

在京キー局がこぞって、コンテンツが海外流失している、オリンピック放映権などが高騰し国内邦人に迷惑がかかるといった「損害」を云々し、「些末な悪徳業者が録画代行している」との印象を持たせ、「管理・支配」の理屈で録画ネットの行為を禁止したのが昨年の決定でありました。しかし、放送局が挙げている「損害」は録画ネットが惹起するものではありません。放送局の言う「放送範囲を日本国内に限るといったコンテンツホルダーとの契約の前提は崩れる」ことはないからです。録画ネットの受信も日本国内ですし、放送局は日本以外には放送していないはずです。録画したファイルを海外に送信可能なのはインターネットの発達が産んだことで、つまりテレビ局の利権を脅威にさらしているのは、インターネットとIT技術の普及なのです。

自らもCS放送事業を行っている(=スカパー)ソニーが参入することで、何かよいほうに動き出すか?

Napsterに始まり、WinMXの普及によって、音楽産業は保守的であり続けながら、自らのビジネスの改革を迫られた。テレビ業界も同様に改革に迫られる時期が目前だ。これまでは「インターネットの普及によって、テレビを見ない人が増える」という話がまことしやかに流れていたが、実際はテレビとディスプレイのWスクリーン視聴になっていっただけで、DVRは相変わらず売れているし、テレビが見られないのはインターネットのせいではない。むしろこれまでの”編成”が生活者のライフスタイルに合わなくなってきた、といったほうがいいだろう。

テレビはインターネットに敵対すべきではなく、むしろこの技術の普及を積極的に取り込んでいってほしい、と思うのだが。

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