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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

うーん、こんな手法があったか:“検索型バナー”という代物

■サーチバナークロス

メディアイノベーションという会社が出した新商品、「うわ、これを商品にしたか!」という代物。

検索ボックスに検索キーワードを入れているようなアニメのバナーを“検索型バナー”と定義し、それらのバナーをアドネットワークに出稿することで、“潜在顧客層”をつかまえることができるとともに、同社のリターゲティング商品と組み合わせることができるというもの。

うーむ。

発想は面白いと思うんだよね。今までにも、検索ボックスにコトバを打ち込むようなアニメを持つバナーは多数あったわけで、それを商品と言い切ってしまい、しかもリターゲティングに持ち込む、なんて。

ただ、人がバナーをクリックするとき、商品に興味を持つときって、検索キーワードにコトバを入れる、という行為で挽かれるものなのだろうか。同社のリリースでは、「検索ニーズのある潜在層を囲い込み、広告主様の訴求されるサービスの認知効果を上げることができる」と書いてあるが、前者はともかく後者の“サービスの認知効果を上げることができる”というのがちょっと疑問。ここで敢えて書かれるのであれば、他の手法よりも「効果を上げることができる」という意味合いでなければならないわけで、“検索型バナーは他のディスプレイ広告よりも認知効果が高い”ということになる。でももしこれが本当ならちょいと面白いんだが。

ただ、こういうのってやはりちょっと「検索」というものに期待しすぎていないだろうか。

むしろ、商品をいかに魅力的に魅せるか、いかに消費者ベネフィットをうまく訴求するか、が無ければ、結局はコンバージョンあがらないと思うんだよね。

検索というのはすでに興味がある層を集めることが得意な手法。でもそれらはほとんど場合自分自身でその商品・サービスにたどり着く「理由」を持っている人なので、ベネフィットは自ら見つけてくれる。しかしブランディングというのは、いかに「あなたにとって必要なものなのよ」と理解してもらうかという活動でもあるので、バナーetcを使うのであればやはりベネフィットを訴求するものにしたほうがいいんじゃないのかなあ、と思ったり。結果、コトバだけじゃなく、ビジュアルエイドなどもあったうえで、効果あるクリエイティブは生まれてくるので。それで興味を持ってもらってクリックしてくれて、自社サイトに来てくれるのが一番いいんだから。わざわさ検索ボックスをそこに提示しなくても。

まぁ、つらつら書きましたが、 僕は検索ボックスが入った広告ばっかり見せられる世の中はいや、です。

※あと同社の持つ“日本最大級のアドネットワーク”に配信できると書いてあるんだが、ファクトシートが見当たらない...