本棚の本の整理を兼ねて、読んでいなかった本を集中的に読んでいる今日この頃。
ああ、なんでもっと早く読まなかったのか、と思った本。
メディアの軽業師たち―マクルーハンで読み解く現代社会竹村 健一 ビジネス社 2002-07by G-Tools |
はっきりいってこの本は「マクルーハン解説本」ではありません。
むしろ「マクルーハニズム」の本です。
Amazonの書評を見ると、「自分はこの本評価できません。なぜかと言うと、ちょっと読むと確かに面白くて分かりやすいように見えますが、よく読むと何を言っているのか矛盾だらけで全然分からないからです。」、「例えばマクルーハン用語の解説にもある「ホット」「クール」「インボルブメント」等の言葉は、この本に書いてあるとおり感覚としてはなんとなく分かるような気がするのですが、それを使って何か考えようとした時、厳密な概念としては曖昧過ぎてまるで役に立たないので、面白い事いってるけど中身は空虚、と言う印象を抱きました。」といった文章が見受けられますが、これこそ、マクルーハンが指摘した「線的」な感覚で、この方は残念ながらマクルーハンを「線的」アタマで理解しようとし、「全感覚的」的に理解しようとはしていない。
竹村センセイは、「だいたいやね~」という言葉でメジャーにはなりましたが、マクルーハンの日本における紹介者であり、彼は初めて(しかもほぼ唯一といっていい)USの大学にマクルーハンと登壇した識者でもある。彼自身が直接接した(全感覚的に把握した)マクルーハンの姿も書かれています。
散文的/一見矛盾を孕んだ、万華鏡のような記述もマクルーハニストとしては妥当な文章表現。
ぜひご一読を。
ちなみに、
マクルーハンを「解説書」で理解したいなら、この辺がオススメです。
マクルーハン理論―電子メディアの可能性マーシャル マクルーハン エドマンド カーペンター Marshall McLuhan 平凡社 2003-03by G-Tools |
↑こちらは、マクルーハン自身とその弟子カーペンターによる解説書。
マクルーハンW.テレンス ゴードン W.Terrence Gordon 宮澤 淳一 筑摩書房 2001-12by G-Tools |
↑本の中身/デザイン自体がマクルーハン的な視覚表現で書かれた本。
これらを読んでマクルーハンに興味を持ち、マクルーハン的理解が進んだら、ぜひ彼自身の書籍を読んでみてください。今の時代にマストです。マクルーハンの書籍(邦訳本)は
こちらからどうぞ。