mediologic

メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

“インバウンドマーケティング”を“売る”時代は終わっている。

インバウンドマーケティングやHubSpotというものを売ってきた自分だからこそ、今このタイミングで言いたいことを書いてみます。

また、シンフォニーマーケティングの庭山さんにもありがたい薫陶を受けたのですが、日本語化されていないHubSpotのようなSaaS型マーケティングソフトウェアを、業界でマーケティングオートメーションが話題になる前に販売し、早期に最も売った経験からみても、次のようなことは大きな懸念事項として感じているものです。

今日もすでにHubSpotを導入している某企業の、マーケティングとセールスが一緒に介するミーティングで話をする機会があり、セールスの現場の方も拙著『インバウンドマーケティング』をお読みいただき、積極的に同概念を理解してくれようとしていたのですが、正直 インバウンドマーケティングという概念やHubSpot以前に、お客さん側の課題とビジネスプロセスはなんなのかの方が大事なんですよね。

なので、インバウンドマーケティングとはなんぞや、を説明する機会はここしばらくすこぶる減ってます。

むしろ未だに、インバウンドマーケティングとはなんぞやとか説いていたり、それをお客さんに売り込もうと思ってる会社があるとしたら、それは僕がビジネス戦略上において一時的にバズらせたワードを二周ぐらいの周回遅れで乗っかろうとしてるだけで、本質的にお客さんの課題を解決しようとしてないと思うんですよ。

加えて、今のマーケティング・オートメーションのブームに乗っかってビジネスを展開しようとしているだけであって、本当にインバウンドマーケティングやHubSpotを理解し、かつお客さんの課題を理解してソリューションを提供していないのかもしれない。であるなら、それは詐欺に近い。

やはり、お客さん側のマーケティング課題があって、それをどう解決するのかにたまたまHubSpotのようなものがフィットし、それがインバウンドマーケティングという概念のもと生まれてるという説明手順でないと、きっとお客さんもハッピーにならないですね。

なので、未だにインバウンドマーケティング、インバウンドマーケティングと客先に売り込んでる会社さんは、その行為自体がインバウンディじゃないんですよ、残念ながら。

いわば、シーズン遅れの服を売ってるような感じではないかと。

まぁ、客先のことを優先的に考えるとそうはならないとは思いますけど(残念ながらそうではない会社さんもあるようなので、このようなブログになるわけですが)。 お客さん側の企業様に置かれましても、「マーケティングオートメーションを導入したい」、「HubSpotを導入したい」、「インバウンドマーケティングをやってみたい」という気持ちだけで、それらの提供会社に声をかけて、導入してしまうのはやめましょう。

まずは御社自身のマーケティング課題やビジネスのボトルネックを解消することのほうが大事です。

例えば、そもそもその課題って「インバウンドマーケティング」やHubSpotで解消できるのか?というレベルの話も含め。課題が見えてないと、これらを導入すると何かが解決されるのでは?と思ってしまうので危険です。

ブームに乗っかっているだけの会社に騙されないよう、見極め能力が、企業マーケター側には特に必要な時代なので。