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Googleが広告関係プラットフォームをリブランディング

 

GoogleAdWords公式ブログによると、広告関係プラットフォームがリブランドされ、それぞれのネーミングが変更になるとのこと。

 

Inside AdWords: Introducing simpler brands and solutions for advertisers and publishers

 

 

Google AdWords > Google Ads

DoubleClick + Google Analytics 360 Suite > Google Marketing Platform

DoubleClick for Publisher + DoubleClick Ad Exchange > Google Ad Manager

 

AdobeがTubeMogulを買い Adobe Advertising Cloudになったり、広告ではないが、SilverpopというMAはIBMに買収されて IBM Watson Campaign Automationとなったり、広告・マーケティングプラットフォーム業界は買収とリブランドがこの数年多い。

Googleがこのタイミングでプラットフォームのリブランドを行うのも、こうした流れの中でブランドをまとめたかったからな気がする。

 

個人的に目を引いたのは Google Ad Manger。

 

 

この名前は、DoubleClick買収前からAdSenseに続くGoogle独自の広告配信サーバーのプロジェクトがあり、それに「Google Ad Manager」の名前をつけられていた。通称、GAMとして、広告主向け(DFAにあたるもの)と媒体社向け(DFPにあたるもの)開発が進んでおり、cookieを使わないターゲティングの仕組み、AdSenseや他の広告ネットワークなどの収益も管理可能なSSP的な仕組み(SSPという名前がなかった時代だったが)も備えるものとして2008年には一旦正式版としてリリースされた。この頃は DoubleClickの買収も完了した時期で、Google内では2つのアドサーバーが併存していた時期である。

 

adsense.googleblog.com

japan.cnet.com

 

当時の Google Ad Manager は、AdWordsが「零細企業・中小企業含めあらゆる企業を広告主にした」という広告主の民主化を進めたのと同様の思想で、どんな規模の媒体であっても使えるアドサーバーとして無料でリリースされた。しかしその後DoubleClickが無料アカウントやエンタープライズと商品構成を変化させていく中で、GAMはその役割を終えたのである。

もし2007年-2008年当時のGoogleの広告プラットフォームで開発が進められてたプロジェクトが今もあったとすると、きっとGoogle Ad Managerは、媒体社にとってはネット広告だけでなく、紙の広告も管理することができるツールになっていたに違いない。例えばGoogle Print Adsというプロジェクトでは、広告主と媒体社が新聞広告の取引を簡便に行うことができるようなプラットフォームを開発していたし、その効果を Google Analyticsと連携したレポートでわかるようにしていた。

10年前のGoogleは、出してくる広告プロダクトすべてが新しいものだったが、最近はどうも停滞状態に見える。しかし、当時革新的なプロダクトであったものの古い名前を冠したわけだから、Google Ad Manager他も、名前だけでなく新しい広告商品を生み出してほしいように、当時それらに関わっていた元GoogleのOBとして願う。