Twitterを中心に、AmazonのカスタマーQ&Aが話題です。
話題の理由は、商品を買おうとしてレビュー欄そばにあるカスタマーQ&Aコーナーを見ると、「わかりません」だとか「意味不明」な回答が多い理由が判明したから。
このカスタマーQ&A、誰が答えてるのかずっと不思議だった。
レビューと同じく、ちゃんと使ってない人やわかってない人でも応えられる仕組みなんだろうなあと思っていたら、過去の履歴に基づき、過去に同商品を購入した人に対して、他のお客さんからこういう質問が来ています、という連絡が来る仕組みになってるのだという。
もちろんイチユーザーとしては、わけわからない回答があったら「?」となってしまうが、この仕組み、凄くないか?
いわゆる集合知や個人の知識や経験に頼るわけで、「co-creation 共創」と呼ばれる世界そのものを実施している。
もともと商品の情報は、その売り手や作り手が最大にして最高の情報源だと思われていたわけだけれども、これだけネットでモノが買われ、皆がレビューできるようになると、より購入者のほうが知恵を持つ世界になってくる。
コトラー先生の"Marketing 4.0: Moving from Traditional to Digital" から一文を引用すると、
Random conversations about brands are now more credible than targeted advetising campaigns
ブランドに対する(消費者の)何気ない会話は、ターゲットにフォーカスされた広告キャンペーンよりもより信用できる。
ということである。
現時点でのQ&Aの中身は、ユーザー側に使われ方が周知されてない、日本語訳?がわかりにくい、購入経験者への質問送付のタイミングが悪い、などの課題はあるが、半ば自動的に「共創」と「ユーザーコミュニティ」を作り上げていく仕組みを持っているのが凄く、これは他の企業も注目すべきだと思う。
The world is moving from a hegemony to a multilateral power structre.
情報のヘゲモニーも、すでに企業側だけでなく、様々なディメンションにおけるチカラに分散化されているので、デジタル化の恩恵の一つとして顧客の知識の活用を今後考えていくべきだろう。