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mediologic

メディアと広告とマーケティングと。

大手広告代理店は「代理業」とは別の業務があったよね。あれこそが他に取って代わられることのない部分だった気が。

まじめ 事業開発・ビジネスデヴェロップメント 広告業界

今日は朝から某代理店時代の昔の仲間(戦友)が仕事の相談に弊社オフィスを訪れていて、1時間半ぐらい、本筋の仕事の話とその周辺の話で盛り上がった。

とりわけ、「今の某代理店が、昔の某代理店ではなくなった」ということについて、なぜそうなってしまったのか?という点において、これは深く業務の在り方に関わってくるな、と。

彼の嘆き・悩みを短くまとめてしまうと、目の前の仕事をこなせるという意味で優秀な人は増えたというものの、大きな絵を描けるストラテジストがいなくなった、と。

彼がこちらのオフィスを後にしたあと考えていたのだけれども、これは旧来の代理店という存在が各種勢力(デジタル系広告代理店やコンサルティング会社、デザイン会社、テクノロジーベンダーなどなど)に取って代わられるかもしれない可能性に大きく関係がありそうだ。

 

結局のところ、旧来型広告代理店のポジションというのは、クライアントより知見や知識があったり、大きな絵を提供できるところにあったように思う。以前はね。

それが、知見や知識にいたっては、クライアントのみならずそれぞれに専門特化した分野の会社が出てきて、代理店からするとそれらの取りまとめ役程度の仕事しかできなくなってしまって、”存在意義”が問われる(=「何してくれるんだっけ?」)ようになる。

一方で、「大きな絵」なんだけれども、これは博覧会や大型スポーツイベントやコンベンションを例にとればわかりやすい(であろう人にはわかりやすい)のだと思うが、大きなイベントごとになればなるほど、大きなコンセプト(=ビジョンや社会的なメッセージ)が必要とされ、これは知識・経験・未来予測などが複合的に絡み合ってくる、実はクリエイティブな領域で、それが「大きな絵」を見せるようになる。

しかしながら、この「大きな絵」を作るためには、そのために相当の勉強というか知識量が必要だったりするんだけれども、どうもそういう教養的な知識というものが、今の広告代理店人には足りないんじゃないか、という話でもある。

これはあまりそう思われることはないかもしれないが、僕自身が知る僕らよりも二世代ぐらい前の広告人というのは教養人だったと思う。今の若い世代よりもね。

 

閑話休題。

さて、そうした前の世代の広告人たちがやってきた仕事を鑑みると、僕らが今思いつく「代理店の仕事」のリストに入っていないものがあるんじゃないかとふと思った。

代理店の仕事はなんだろうか、と考えた時に、

  • 広告主の代理業
  • 媒体社の代理業
  • 消費者(生活者)の代理業

というのが挙げられ、とくに3つめの「消費者の〜」というのは今時のトレンド(=というか耳障りのいい言葉)のように思う。

しかし、代理店が”暗躍”・”黒子”として本領を発揮して動いていたのは実は、例えばオリンピックや万国博覧会、モーターショーなどの、広告主/媒体社/消費者(生活者)のうちの「誰か」の代理業ではない領域であった。

例えば、広告主や媒体社、消費者の代理業、という立場ではそれぞれに対するソリューションを提供するというのが業務になるので、「大きな絵を描く」というのは業務上求められることはない。つまりは、「取引先ファースト」になってソリューションビジネスとしての広告代理業を続けてきた結果、今「大きな絵を描く」という仕事もなければ経験だって培われない状況にあるのではないだろうか。

そういった意味では、取引先ファーストで、かつ大型イベントというのが無くなった(いや実際には代理店が大きく関わるのが減ったというだけで、イベント自体は増えてるように思う)というのは代理店の思考の矮小化につながっているのかもしれない。

やっぱりでかい「祭り」、しかもビジョンやコンセプトが後ろにあるようなものって、もっと代理店の仕事として必要なんじゃないかな。

そして、実は、大手旧来型代理店の得意領域は本当はそういうところにあるのであって、昔でいうと「事業」系と言われた部署は電通にも博報堂からも無くなってしまってるけど、必要なんじゃないかな。

つまり、「代理業」じゃない部分。

この「誰の代理」でもない部分、社会の中での大きな「文脈」を作るというのが、大手広告代理店の得意技だったと思うし、そこは、どこにも取って代わられることのない分野だと思うんだよな。

まぁかっこ良く言ってみれば、“時代”に対する代理業でしょうか。

 

まとまらないので本件はここまで。

 

 

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