mediologic

メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

(1)media ではもう mediate されない (2)consumer ではなく user

survey ML で、

CGM: Consumer Generated Media
UGM: User Generated Media
CGC: Consumer Generated Content
UGC: User Generated Content

など、色々言い方があるけど、どれが一番正しいんだろう?という議論がこの数日行われていた。事の発端は、「CGMって意外とアメリカでは使われてないらしい」というポストから。

で、僕の意見。

実際USでは、

media in consumer control
とか
content in consumer control

って言い方もしてたりするし、むしろカンファレンスなどに参加しているとこちらのほうが普通に使われてる感じがします。

content か media かという点においては、「もうメディアじゃないよね、これからはコンテンツだよね」というのが広告/マーケティング業界の大きな潮コトバになってくるでしょう。なので content というコトバが最近よく使われだした。

今日もこちら(NY)でとある人と雑談をしていたのですが、従来的な media という考え方そのものが機能しなくなってきていて、それに変わる consumer と brand や商品をつなぐものが content なんじゃないかな、と。言ってみれば、「従来的な media はすでに mediate しない」ということ。で content だと。ただし、この場合の content というのは、これまでのようにエンタテイメント・コンテンツとか、作品そのものを指すようなものではなく、消費者との間を mediate してくれる(=とりもってくれる)ものとして新たな概念としての content だと思います(1/この意味においては branded entertainment こそが content である、なんてわけではない。むしろ逆)(2/また content 以外では、unmedia media と言われるものも同様に post media な概念かつツールかも。今回はCGM話なので詳細は省きますが)

となると、CGMってどう呼ぶのが正しい?という議論については、

consumer generated content
user generated content
content in consumer control
content in user control

が、いいのかと。。

ブログが出だした頃は確かに、これまでのようなデカいメディアに対する nano media としてメディア的体裁をとっていたので、media だったわけですが、最近はYoutube, Google Videoの投稿や、ブログそのものもコンテンツとらえられているので、このように content というコトバを使うようになってきているのでしょう。

また、「消費者 consumer」 (consumption する人々=消費はもともとのニュアンスではあっという間に使い尽くす=買ったら終わり)ではなく、consumer as「利用者 user」として考える、つまり、「全ての商品はサービス」として考え、消費者はその user である、というのも時代の潮流なので、consumer よりも user のほうがこれからの時代に対して使うには相応しい。

というわけで、CGMというコトバは恐らく時代の流れの本質をすでにつかんでないかもしれませんし、consumer というコトバはすでに「古いマーケティング」のコトバになってしまったのかもしれません。

となると、

user generated content
content in user control

あたりが妥当な表現でしょう。

しかしながら、大事なことは、コトバの定義ではなく、「事の本質とは何か?」です。

なので、

"media" から "content" へ

"商品"から"サービス"へ

そして "consumer"から"user"へ

という概念さえ理解されていれば、どういったコトバが使われていようがどうでもいいような気もするわけで。

懸念されるべきは、コトバが先走った結果、本質が理解されないことであり、今起こっていること、これから起こることを単なる流行として(それこそ)“消費”してしまうことでしょう。