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複数のexit planが描けるかどうか。

KLab、新規事業を子会社化する「スタートアップブランチ制度」を導入 | Social Game Info.

KLabさんの場合、KLab Venturesの社長に29歳の社員を登用するなど、なんとなく渋谷のあそこを意識してるんだろうなあ、ということで、若い社員の流出食い止め・取り合いが大変そうであることは感じますね。

ところで、かつてはネット広告代理店と言われた企業から、ITベンチャーから、昔、レガシーと呼ばれる代理店まで、各社がスタートアップに力を入れてるようですね。そういや博報堂においても私が在籍した当時から「新規事業の社内公募」はありました。当時はそこまで事業開発に興味がなかったので、スルーしてましたが、もし何かあげてそれで子会社作ったりしているとそれはそれでいい経験になっただろう反面、今思えばそれはやらなくてよかったとも思えます。その理由は、exit plan にあります。

どうも、「社内新規事業の子会社化」的流れというのは結局のところ、シリコンバレーなどにあるようなindependentなスタートアップの立ち上がりとちがって、親会社のブランチになってしまう時点でexitが限られてしまうのではないかな、というところがすごーく気になるわけですね。エンジェルやVCからの投資を受けたベンチャーが幾つものシナリオの中から、事業の売却、吸収合併、IPO、あるいは解散など様々な exit plan を描ける反面、子会社として作られた「ベンチャー」はいい言葉で言えば親会社の庇護があるのはいいんだけど、それに縛られる可能性も大きい。

私が幾つか見ている「社内ベンチャー出自の」会社なんかでも、「ああ、この企業の子会社(=51%超出資やら)だとexitがここまでしか描けないなー。最後は事業閉じるだけになるかもなー。」って思えるものが幾つもあったりして、非常に悲しい気分になります。実際のところ、運営しているメンバーも、例えば増資についても親会社などなどを中心に考えるくせがついてしまっていることも見受けられ、知らず知らずのうちに「社内ベンチャー気質」のようなものが身についてしまっているようなこともあります。

まぁ「お前はベンチャーとかやってないやんけ!」と言われそうですが、博報堂のインタラクティブ局/博報堂DYメディアパートナーズのi-メディア局(当時)に在籍していたときには、実は「事業開発チーム」というのに居て、先輩方について幾つかの会社の出資やビジネスプラン/マーケティングを手伝っていたり、某元国営通信会社のビジネスプラン作成などをやっていたり、当時としてはネットビジネスとして画期的だった『ペタろう』や『電子年賀状』といった「社内事業」をやっていた身としては、それぞれの事業の行く末(というか今も存在するものがありますが)を見てきて、「事業には複数のシナリオがあって、複数のexitが存在する」というのを実感せざるをえないわけです。

社内で起こった新規事業に対し、それをひとつのエンティティ(法人)として立ち上げることを応援するのみならず、それらの事業に対してはファウンダーたちが多数のexitを描けるようにしてあげるような仕組みにしてあげて欲しいものです。と、切に願います。

※なんていうことを書くと、ほんと自分が何屋さんかわかんなくなるんだよなあ。マーケティング屋?事業開発のお手伝い屋?広告屋? というか、事業開発好きです。

※博報堂1年目のときに当時ASCIIの宣伝部の偉い人に「高広くんは博報堂ってうよりかさあ、BizDevとかぜったいいいよ」って言われたことを思い出した。あの人の目は正しかったのか、どうなのか。