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編集記事は効果的か?

【次世代マーケティング考】ウェブ広告は何故なかなかクリックされないのか? - SankeiBiz(サンケイビズ).

いくつか前のエントリーでも、同インテグレート藤田社長の記事についてコメントしたが、特定の「人物」をdisろうとして書いているわけではなく、やはり文章として書かれたものについて気になることについては書いておいたほうがいいと思うわけで、書く。

なので、オープンな場所で書いているのでもし筆者から反論があるのであればそれはそれでいい議論になると思うので、やはり書こうと思う。

この文章では「広告は効かない」といった趣旨の文章をハリスインタラクティブの調査を引用しながら、最後のほうで「編集記事でのコミュニケーションが非常に効果的です」と述べている。

しかしながら、もともとハリスとアドウィークメディアのリリースでもあるように(こちらが元ネタ)、広告が効かないことを主張するために行ってる調査ではない。

Although almost all Americans say they ignore some ads (91%), this does not mean it's a lost cause for advertisers.  Rather, companies looking to effectively reach consumers may just need to educate themselves and tailor their messages – as well as their chosen medium – to best appeal to the desired group. アメリカ人の91%が広告を無視すると言っているが、これは(広告に)見込みがないということを指しているのではない。むしろ各企業は、消費者に効果的にリーチするために、選択したメディアに応じて自らを教育し(educate)、メッセージが届きやすいように(tailor)し、企業が欲しいと思ってる消費者にアピールするべきである(※ご教授いただき、一部訳を変更いたしました)

上記は、元ネタである調査の結論からの引用である。単に「効かない」と言ってるのではなく、「無視されている可能性がある」のは、消費者集団にあったメッセージを提供していないからだ、というのが両社の提案なのだ。

また藤田さんの記事であるように「編集記事」が効果的だというのであれば、この広告に関する調査と同様に、記事がどのぐらい読まれているのかについての調査が必要。その調査データとこの広告に関する調査データが照らし合わされてこそ、どちらの情報が届きやすいんだ、と言える。

広告に関する調査でそれが「無視されている」という結果が出たからと言って、それが「広告が効かない」と同義ではないし、また、だからといってなんの根拠の提示もなく「編集記事なら効く」とは言えないと思うのだが。