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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

業界の雄、教えを請う

■電通、人材育成で独自カリキュラム・米大学院からノウハウ (NIKKEI NET BizPlus)

おお、ついに。

広告業界における「優秀」な人材不足は日本だけでなく、海外においてもすごーく深刻な問題となっている。

この辺については、この3つのエントリを参考にして欲しいんだが、

■広告業界の人材枯渇問題に関する一文
■WPPのMBAプログラム
■WPP・マーチン・ソレル、語る

あの、WPPが社内MBAプログラムを作るぐらいのことになってしまってるのである。
で、博報堂は「博報堂大学」というのを作り、結構うまく運営できてるようだが、業界の雄の電通がこと人材育成においては話題がなかった。そしてココに来てついに電通が動いたというわけだ。

その提携先が、Virginia Commonwealth University の Mass Communication コースの広告専門大学院 "adcenter"である(この VCU は Public Relations の大学院コースも持つなど非常にユニークな大学)。

実際、僕はこの大学院に興味があって、ここのdirectorが来日したときに話をしたことがあるのだが、いわゆるUSのクリエイティブ畑のオジサンで新しいメディアの話はあまりできず、クリエイティブ・マネジメントだ!という話に尽きてしまう、という点は少しがっかりした。この大学院、新しい広告の変化には対応できるのだろうか?もしかして古い広告のフレームにおける大学施設??という点で渡米への興味ががっくし失せてしまった、ということは正直に言っておこう。あと、この大学院でてもきっと、M.A.なんだよね。MBAではないんだろうなあ。それならあんまし海外でバリューないんだよなー、ビジネスの世界で。

あ、あと、今、学ぶべきは「広告」なんだろうか?

いままさに「広告」そのものが変化の時期に入っているので、やはり学ぶべきは「広告」という狭いフレームではなく、「マーケティング」というフレームでその中における「コミュニケーション」に関わる領域、、、を学ぶ、としたほうが時代に勝てるような気がしてならない。それは広告ビジネスが好きであればあるほど、そうしたほうがいのだ。広告への新しい目線とビジネスを知ることになるわけなので。

多分だからこそ、マーチン・ソレルは社内に「MBA」を作ったのであり、「広告専門大学院」と作ったわけではないのだろう。つまり、広告業界をより「実学」と結びつけるための施策として、こうした教育戦略は今世の中で動いているビジネス領域に接合しなければならないのであって、業界の内側に閉じこもるべきでないのである。

このパラダイムに気づいたら、きっと「広告」ビジネスの面白さと何を学ぶべきかにもっと気づくはずなのだが。皮肉なもんだ。