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日本人が英語を学ぶということ。

出張先で立てていたアポが朝からトンだ。
というわけで朝からネットで物色していたら、24日から始まったところの off broadway の"Sake with the Haiku Geisha"を発見。

on のほうの musical はどちらかというと大箱でファンタジーなので僕はあんまし好きじゃないし、メッセージ性に富んだり、実験的な要素の強い off broadway のほうが好き。しかもまだ Newyorker や New York Times の批評家もコメントを寄せてないような off を preview として見れるのは非常にいい(「本公演」に先駆けて最初の数日は preview として公開される。preview後手直しされることもある)。

で、この“Sake with~”だが、案の定、よくあるアメリカ映画と同じように、日本人の描き方は当然誇張されている(「そんなにお辞儀ばっかりしねえよ」とか)が、内容は政治、経済、セックス、戦争と非常にアイロニカルなもので、それを discommunication という軸で切っている。

ストーリーは、日本の教育機関の招聘によって日本で英語を教えていた、イギリス、アメリカ、カナダから来た3人の「英語教師」のさよならパーティを中心に進められる。

全体の細かい内容はネタバレになるのでさすがにいえないが、例えば、

●運動会である生徒のグループが、ヒトラーを演じる。それに衝撃を受けた女性英語教師が、日本の男性教師に衝突するが、彼は「こどもたちを動揺させないでくれ、彼らはホロコーストについて学んでないのだ」

とか

●原子力爆弾の落とされた国で、敵国の言語を学ぶことを奨励していること、皆が勉強していること

などと、普段あまり考えなかったことに衝撃的なまでに気づかされる。

一方で、セクシュアルなシーンで出てくる、”drink me” といった変な英語(guess ?)など、日本をよく知った演出家とアクター/アクトレスによるメッセージと演技が、「日本人が英語を学ぶこと」について、考えるキッカケを与えてくれる。しかも非常に強烈に。

これは、できればもっと多くの日本人に見せたい off broadway なのだが、きっとそれほど長くは続かないのだろうな。。。