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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

日本でも同様のことが起るか?~US新聞業界激震

■米新聞社で人員カットの嵐,今年は1900人が失業(メディア・パブ)

新聞業界がここまでのレイオフをする時代がくるとは誰が思っていただろうか?

日本の新聞関係者に会うと、少なからず危機感があるものの、保守的でしかも変わろうとしない人々がたくさんいることを知ってしまう。

新聞ビジネスだけが消費者の志向に合わせた商品を販売せず、「単品販売」を続けている。若者の新聞離れがずっと言われているにも関わらず、若者向けの「商品開発」を行うことをせず、「読めるレベルまで上がって来い」と大上段に構えたメディアになっていることを否定する由もないだろう。

僕自身は新聞ビジネスについてはまだまだチャンスがあると思っているのだが、それは今の形態の新聞をどう売っていくか?ではなく、普通にマーケティングをし、普通に商品開発をしていけば見えてくるはずだ。

たとえば、「新聞」というものを「情報」と「紙」で構成された情報デバイスだと考えれば、おなじソースの「情報」であっても、ターゲットに応じた語り口=情報の加工があるだろうし、「紙」も(なにもネットに置き換えるということだけでなく)色んな紙媒体での提供がありうるだろう(電車の中で読みやすいようなレイアウト、サイズなど)。

情報というのはリテラシーに応じた「食べやすい」加工の仕方があるはずで、「素材」をどう「調理」してどう「盛り付けるか」という視点になれば、他の商品と同じく複数の商品展開が可能なはずなのに、この普通のマーケティングが新聞業界でなされてこなかったことが、今の状況を生み出している。

マーケティングの基礎「4P(Place/Price/Promotion/Product)」だけで考えても、新聞の課題はわかる。

まだ日本の新聞業界はギリギリ間に合うと思うので、今のうちになんとかすべき。