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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

強い効果、弱い効果

先月8月25日になくなった、マーケティング研究者アーレンバーグ Andrew S. C. Ehrenberg が提唱したモデルは、現在の広告環境の中で気づきを与えてくれるだろう。

彼は、

ブランド認知(awareness)やトライアル(trial)は、必ずしも”広告”だけではなく、店頭での刺激によっても起きる。 それゆえ、広告は awarness などを促進させるという役割だけでなく、購買(購入)後に商品・ブランドへの好意的態度を強化(reinforcement)し、リピート購入を促進する(nudging)

と主張する。これを「弱い効果モデル weak theory 」という。

一方、広告はAISAS的モデルで言う前半部分(ブランドへの態度/購入意向)を担う、と(特に日本では)信じられている日本の広告効果モデルは通称「強い効果モデル strong theory」という。

一般的に購買にあたって検討機会の少ないコモディティなどは Ehrenberg の主張のほうが適切らしい。 何も考えずに購入、でものちのちCMを見て、「あ、これこないだ買ったやつだ」という流れになってブランドへの好意度を強化していく、というモデルになるので。

これは現在CMが置かれている状況において、「CMをどう使えばいいか?」についてインスピレーションを与えてくれる研究テーマだ。