読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

mediologic

メディアと広告とマーケティングと。

レガシー総合代理店におけるスタートアップ、とは?

つらつら

freeimage-5211204-web

古巣の博報堂(辞めて10年!)がデジタルまわりの人材募集をはじめたらしい。

■デジタル要員の募集について | HAKUHODO Inc.,.

もともと博報堂には、「電脳体」のち「インタラクティブ局」や「サイバーメディア部」(前進の名前を忘れた。。。)というのがあって、『ペタろう』や『電子年賀状』、『ガチャロボ』といったそれこそデジタル領域の新規事業をやっていたという歴史があったのだが、ドットコムバブルの崩壊とともに「インターネット?デジタル?そんな儲からんものは辞めてしまえ!」とばかりに、インタラクティブ/デジタル領域の先進を走っていた人々をトラディショナルなSP部門に異動させたりし、デジタル関係の部署を取り潰した、という黒歴史がある。この結果、当時、インタラクティブ局にいた人々なども続々と博報堂を退職し、博報堂のインタラクティブ/デジタル血脈は大きく途絶えた(といっても過言では無いと思う)

過去の話にタラレバを言っても、どうしようもないのだが、もし残っていれば相当今の博報堂とは違った博報堂が存在したように思う。パラレルワールドがあったら、すごく見てみたい。

こう思うのは、電通に転職した際に、「博報堂がインタラクティブ局を潰してくれてよかった。あそこの部署の存在、人材については電通は相当遅れたと思っていた。もう追いつけないんじゃないかと思った」といったようなことを、電通の上のほうの人に言われたからだ。その後、電通と博報堂、どちらがデジタルで先を行っているかについては、皆さんそれぞれの視点があるだろうと思う。でも、少なくとも、部署を潰した結果、人材資産を手放す羽目になった博報堂は、相当もったいないことをしただろう。

ここしばらく、当時の上司や同僚にも会う機会があり、博報堂もデジタル領域に再び頑張りだしている気配がしている。それは非常に良いことだと思う。そして、どこでも同じだが、この領域に関しての課題は人材不足にある。博報堂もデジタル人材の内製が難しいのは以前からわかっていたはずだが、買収・新会社立ち上げ・事業提携などで、社内に座っている多くのデジタル人材が、実は正社員ではく契約社員や出向者という電通のデジタル人材獲得戦略からは大きくビハインドのように見える。そこで新たにまた人材を募集しようということだろう、今回は。

しかし、なんか、「アトリビューション・マネジメント人材」ってのはどうなのか、と・・・それは、博報堂や博報堂DYメディアパートナーズのビジネスとしてやるべきものなのか?それともそれ専門の会社を別に作ったほうがいいのでは?と思った。

でももっとも「?」となったのは、最後に項目が上げられている人材、

”-事業スタートアップ人材 ビジネス要件定義を行い、国内・海外でゼロベースから新規事業(ECも含む)を立ち上げた経験がある事業経験人材 -事業会社・商社などで新規事業会社立ち上げ経験”

である。

もしこれに、応募するような人がいるとしたら、どんな人物か知りたい。 めちゃくちゃ知りたい。 わざわざスタートアップするのに博報堂を選ぶという人物の考え方を知りたいと思う。

賛否両論あれ、シードアクセラレーターも複数あって、再びVCまわりも元気になりつつある現況において、なぜわざわざ自分たちでインデペンデントで立ち上げず、博報堂の事業スタートアップとしてその道を選ぶのか?

もし博報堂が、MBOの道も選ばせてくれるというオプションを提供してくれるのならアリかもしれないけれど。

最近では、「猿人 enjin」のように、元々はマッキャンエリクソンの中で有志で作られたプロジェクトだったものが別会社化し、遂にはMBOしてしまい、まったく独立した代理店になっているという、非常に応援したくなる話もでてきている。

概して代理店というのは、「媒体枠の買い切り」と同じように自分たちで囲い込みたい、あるいはゲートキーパーになりたい、という意識が働きがちだ。で、結局、競合にあたるところなどとの取引を排除して、市場チャンスを逃してしまう、、、という流れもありうる。あとはコスト意識が低い、などなど。。。ベンチャーをやるにはマインドセットレベルでの(代理店脳では見えない)障壁が存在したるするので、このあたりも、レガシー総合代理店におけるスタートアップが陥りがちなこととして、乗り越えなければいけないだろう。とすれば、染まっていない外の人材のほうがいいかも、というのもうなずける。

が、

博報堂も、どうせなら、”事業スタートアップ”に関しての人材を募集するのではなく、ビジネスアイデアの売り込みを受け付けて、シードレベルからでもお金を入れるスキームにする。インキュベーションする、そういうスタイルのほうがよかったのではないか?

わざわざ社員にするような意味あいがどこにあるのか? 社員になりたい人材は本当にスタートアップ向きなのだろうか?

このあたりは、やはりモヤモヤが拭えない。

博報堂的には、社内のアセットを事業化するということだろうが・・・

それって、スタートアップ?

違うよなあ。

と、博報堂を飛び出して、今ではリスクを取りつつ事業やる立場になって、思うのだった。。。