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ターゲティング広告は、消費者に支持されるかどうか、という視点を持たないといけない。

行動追跡によるターゲット広告は制限すべき? : インターネットコムニュース : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

流れ的にはまったくもって妥当な話じゃないかと。

こういった昨今のデジタル広告におけるターゲティングの流れは、AdWordsのコンテンツターゲット以降の流れであり、TacodaやRevenueScience(=AudienceScience)などの行動ターゲティングソリューション提供企業が出てきた6−7年前から続く。

しかしながら、もっとも広告ビジネスにとって革命的だったのはGoogleのAdWordsだった。

自分自身もGoogleに三年間籍をおいていたわけだが、誰もまだまともに「ぐーぐる」と読めないし、知らない時代に、Googleに何を見ていたかというと「広告におけるコペルニクス的展開・革命」にあった。

Googleといえば検索連動型広告であり、コンテンツターゲットだが、これらの広告の掲載順位について「消費者の支持」が加味されるのは、これらを扱ったことのある人々にとっては周知の事実だ。つまり、クリック率がいいと上位にあがるし、クリックされないと「消える」ことすらある、という。

なぜ、これらが革命的であったかというと、従来(そして今も)、広告の掲載スペースというのは「いい場所」であればあるほど「高価な広告費」になるわけで、高い金をだせば「いい場所」を確保できた。しかし、AdWordsの場合はそれだけではだめで、「クリックされる広告」でなければならない。

「クリックされる」ということは表示されている広告テキストが、ユーザーにとって「有益である」ということを示している、と考えられる。この点において、Googleがミッションとして掲げている「世界の情報を整理する」というコンセプトの中に「広告も一つの情報として、ユーザー視点で整理される」わけだ。

広告主側から見ても「クリックされる広告」「効果がある」ということになるので、消費者(ユーザー)に対して「支持されるかどうか・有益であるかどうか」は広告主と消費者との蜜月を生み出すのである。

※残念ながら最近ではGoogle(少なくとも日本では)もこのような話をしなくなったようで、代理店関係者でもこれらを理解したうえで運用する傾向が少なくなってきてるようだ。結果として、キーワードの選び方・広告文の作成の仕方の劣化につながるように思う。

さて、USの動きでターゲティング広告について規制が入りそうだという。一方で自分たちの選んだ広告主に対してはターゲティング広告は認める、という層もいる、という話。広告というのは常に intrusive なものである、というのはほぼ間違いない普遍の事実。しかし「おじゃましたとき」に有益な情報として映るかどうか。それが実は現在のターゲティング広告に求められているものであり、そうしたものが成功するのだが。ただ実際は「**代の男性に的確にターゲティングします」というだけで、消費者にとっての「メリット」が考慮されたターゲティング広告・ソリューションが少ないことよ。。。