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■asahi.com:「正解はCMのあと」は逆効果 視聴者86%「不愉快」 - 文化・芸能

場面を盛り上げるだけ盛り上げておいてから「正解はCMのあとで」「最新情報はこのあとすぐ」。こんなテレビの「山場CM」が多い番組に視聴者が不快感を抱いていることが、榊博文・慶応義塾大教授(社会心理学)らの調査で明らかになり近著で発表された。
調査では、視聴者をCM明けまで引っ張ろうとする山場CMに対する印象として、強い肯定から強い否定まで九つの尺度で聞いた。「不愉快」について86%が肯定。CM明けのシーンの繰り返しには、74%が「イライラする」と回答した。
話の流れが落ち着いたところで出る「一段落CM」と比較すると、山場CMが「商品を買いたくない」で3.8倍、「商品を覚えていない」も2倍と本来の効果をうち消していた。

まぁ、わかっていたことだと思うけど。

でもなんでこの時期にこのニュースが出るんだろう??

この調査が載っているのはコチラの本。

広告の文化論―その知的関心への誘い広告の文化論―その知的関心への誘い真鍋 一史 日経広告研究所 2006-12売り上げランキング : 41582Amazonで詳しく見る by G-Tools

出版されたのは去年なのにね。

編者の真鍋一史先生は、僕の卒業した関西学院大学の教授で、広告研究では非常に有名な方。僕も授業に出ていました。
(その後、先生の息子さんが、僕の後輩として同じ会社で仕事しようとは思わなかったんだけど)

このニュース、日本アドバタイザーズ協会にもコメントを求めていて、

日本アドバタイザーズ協会(旧・日本広告主協会)の小林昭(ひかる)専務理事は「初耳の研究結果だ。テレビ局が決めているCMを入れるタイミングについて議論したことはなかったが、今後の対応を検討していきたい」という。

という回答。

広告の質的調査・評価というのは昔から研究されているのだが、なかなか表舞台に出てこなかった。
でもこうしたニュースが出てくるということはそろそろ時代が変わってくる、ということか。

ちなみにこの調査を進めた榊博文先生は社会心理学出身。
なので、“説得”研究から、こうした広告研究にアプローチしているよう。「山場CM」は“説得”的観点から見たら、確かに説得できそうなタイミングではないよね。。。

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