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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

ソーシャルメディアのアンビバレンツさ

ソーシャルメディアによって無くなるもの。それは「独り」の時間。

繋がりやすさ、繋がれやすさ、非同期でなくても同期でなくとも共有できるライブ感。 これらは対面のように「今ここに」誰かといなくても、電話のように場所が離れていても相手と時間を共有することを強要しなくても、ソーシャルストリームに流れる言葉や情報が「独り」であることを無くす。 むしろ「独り」でいたければ、意識的に「独り」になろうと努めなければその時間を獲得できない。

ソーシャルメディアによって増えるもの。それは「疎外感」。

繋がりやすさ、繋がれやすさ、はそこでやりとりされる情報量・ネットワークのサイズを拡大する一方、それらの情報を追いかけることへの疲労と徒労、そして情報に乗り遅れたときに生ずる乗り遅れ感や疎外感を生ずる。 限定的な情報チャネルから送られてくる情報しか流れてこない時代における「共通の話題」は、人々の集団の凝集性を高めるまでもなく、あくまでも「話題」であったが、ソーシャルメディアでは「話題」そのものが凝集性を高める。結果その「話題」をソーシャルストリームという巨大な流れからつかむことができなければ、ネットワークの中にいても外にいるような「疎外感」を感じ易い。

このアンビバレンツさがソーシャルメディアが「社会的」であることを表しているのかもしれない。