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コンテンツミルでスモーキーマウンテン化するネットに、Googleがチャレンジする清掃手段

United States Patent Application: 0100138421:IDENTIFYING INADEQUATE SEARCH CONTENT

Googleの検索クオリティを守る男、Matt Cuttsの名前も入った、「不適切なコンテンツを見分ける技術」についての特許出願。提出日は今年2010年の2月。

どのような内容かは本文をどうぞ。

米国では、"Content Mill コンテンツ製造工場"と呼ばれるコンテンツ大量生産プラットフォーム/ビジネスの普及、台頭によって、”質の低い”でも”検索結果で上位にあがるような”コンテンツが増え続けることへの懸念について、真剣に議論がなされている。

質が悪いものが増えれば広告主は広告を出さなくなり、将来的にはネットビジネスのエコシステムが崩壊する、という仮説に基づく。

日本でもamebaブログやseesaa、ライブドアブログなどなどの大規模ブログサービスが大量にコンテンツを生み出すプラットフォームとなっているわけだが、それらが検索結果のクオリティ、つまりはオンラインコンテンツというもののクオリティを下げている、という議論はある。※上記のブログ全てが質が悪いというわけではない、念のため。大量にコンテンツ生成できるプラットフォームにはそれだけ質の低下もありうる、という話。

もちろん、ネットの特質として誰もがマイクロメディアを持ち,コンテンツを発信することができるわけだが、プロ・コンテンツ制作者である記者たちのものとそれらのコンテンツはユーザーにとっては見分けがつかない。これらを選り分けることは現在ではユーザーのリテラシーに100%依存をしている。この状況は全てのコンテンツを見た目上、フラットにはしているが、グレシャムの法則が機能しているに過ぎない。

(ソーシャルメディアの普及がこれらを加速することは想像にかたくない。この点において、ソーシャルメディアマーケティング関係者は、新たなスモーキーマウンテンを積み上げることしか考えてないように思えるのだけれど)

これらを懸念して「コンテンツクオリティマーク」をサイトにつけ、コンテンツの質が高いページがどうかを第三者機関が保証するようにする、という動きも米国ではでてきており、この分野は目が離せない。

「コンテンツミル」への懸念--問われるウェブの品質

普及するかどうかはまだ未知数ではあるが、もっとも身近な情報メディアと化しているオンラインコンテンツの質が選り分けられることは、ユーザーにとっても広告ビジネスにおいても長期的に非常に有用なのは間違いない。