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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

みんなで走って、ドネーション

まだ日本未発売のNIKEとAppleのコラボ「NIKE+iPod」のプロジェクトから新たなキャンペーンが生まれている。

■ Donate your miles. Run for a cause.

iPod nano と NIKE+ のスニーカーの組み合わせで、走行距離をnanoに記録して、NIKE+iPod 利用者向けのNIKEの特設サイトにて、自分自身の走行記録を残せる、というのが、NIKE+iPodの特徴なんだけれども、その機能の中に、[ Group Goals ]という、"Social Running Service"(笑)とでもいうべきものがある。これは仲間内で目標設定をして、そのゴール目指して走ろう、というもの。

この機能を用いて、NIKEが行っているのは、「走った距離に応じてドネーション(寄付)を慈善団体に」というキャンペーン。ある財団や団体がつくった Group に参加し、自分も含めてその参加者全員の走行距離がドネーションに換算される、というもの。

このキャンペーンの素晴らしさは、

1) 新たな機能を作ったのではなく、もともとあった機能を用いて新たなキャンペーンを生み出したこと

2) 「参加させる」というブランディング/キャンペーンであること。

3) すでに「走る」という行為に参加している(=参加しやすい)人々がたくさんいて、参加者が多く見込まれること

4) 確かに商品を売るためのキャンペーンではあるが、その商品を享受する enjoy ことができれば、それは trade であって、悪ではない。そうした意味で、これはキャンペーン全体が倫理的に善である、ということ。

いやあ、このキャンペーンには、人を「動かす」という、これから先のブランディングやコミュニケーションプラニングに必要な「本質」が詰まってます。