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メディアと広告とマーケティング、そしてサービスデザイン。

「検索エンジンと広告」終了

■ブログ終了のお知らせ (検索エンジンと広告)

お疲れ様でした。

検索(及び検索連動型広告)というものはそれ自体広告の革新であったし、一方で検索(及び検索連動型広告)というものは、ユーザーの「何かを探そう」という意思があってはじめて機能する、というものなので、それ自体が単体で存在しえるものでもない。

ユーザーが検索にたどり着くのは、なんらかの契機があってこそ。たとえば、友人に聞いて興味をもった情報を深堀する、カラダに違和感があって病気じゃないか調べる、今日の夕食のレシピにこまって冷蔵庫にある材料でなにかできないか調べる、昇給したので保険を見直す...etc。これら"intention"に基づいて集まった"intender"が集まるのが、検索なのだ。

で、それを広告的手法にしたものが、“(各種)広告でキーワード露出”⇒“検索誘引”というもの。当然、その広告そのものあるいは商品そのものが、消費者にとって目を引くもの、メリットのあるものでないと、そもそも検索されないのだが、キーワードを各種メディアで伝えることで、"intender"となる人を増やす、ということを目論みるのはすでに普通の広告手法、いや、デフォルトの広告手法となっている。

たとえば、「CMに検索窓をつける時代は終わった」というコトバもよく聞かれるが、それはCMの作り手そのものの飽きであるとともに、WEBに誘引するような(=つまり消費者が興味を持てるような)CMを制作できない、あるいは検索に理解を示さないCMクリエイターたちの歪んだ感情だったり、あるいは、検索連動型広告業界に従事する人たちのTVCMなどの“華やか”なマス広告業界へのルサンチマンなんじゃないか、と思う。

発展的に書かれたこのような記事でさえ、ネガティブと捕らえられかねない表題になっているぐらいに、「広告 to Search」というのは正等に評価されていないのだろう。

この「検索エンジンと広告」を管理している人物に話を聞いたことがある。

「このブログ自体は、Mass to Search を普及させたかもしれない。でもそれがあまりにも拡がりすぎて、当たり前になるとともに、その先には、飽きられて“あの手法は終わったよね”と言われるのではないか」と以前から心配されていた。

きっとそうしたことからも、そろそろ潮時を考えられたのかもしれない。

しかしながら、「検索エンジンと広告」というブログは、従来型広告業と検索連動型広告を結びつけるということについて、マーケットでの理解促進に貢献しつづけた偉大な功績がある。

なので、このブログは更新しなくなったとしても、この時代の広告史としてずっと残していって欲しいものだ。